デロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)は2020年6月24日、プロセスマイニングツール「myInvenio(マイインヴェニオ)」(イタリアCognitive Technology製)の販売を開始すると発表した。日本の販売代理店であるハートコアと再販売契約を締結した形である。myInvenioの導入支援サービスや関連するアドバイザリサービスも提供する。
myInvenioは、イタリアのCognitive Technologyが開発し、国内ではハートコアが販売するプロセスマイニングツールである(関連記事:ハートコア、業務プロセスを可視化するプロセスマイニングソフト「myInvenio」を販売)。ERP(統合基幹業務システム)など各種の業務システムから抽出したログデータをもとに、業務プロセスを可視化する。問題のあるプロセスを発見したり、処理件数や時間を定量的に分析したりできる。目的ごとのダッシュボードを作成することで、複数のビジネス用途に活用できる。
プロセスマイニングの具体例の1つとしてデロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)は、リモートワークにおける労務管理を挙げる。クライアントPCのログ解析を行うタスクマイニングを併用することで、従業員が使ったアプリケーションと使用時間を可視化できる。リスクシナリオに応じて不正の発見などにも利用できる。
DTRSは今回、myInvenioの販売代理店であるハートコアと再販売契約を締結し、DTRSからmyInvenioを販売できるようにした。ライセンスの販売や導入支援サービスに加えて、プロセスマイニングを活用して特定した企業の課題やリスクを起点としたアドバイザリサービスを提供する(図1)。
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アドバイザリサービスでは、大きく3つの領域で、企業の課題解決を支援する。
(1)「業務改善」では、社内管理業務の自動化・効率化、内部統制と業務改善の双方の高度化実現などを支援する。
(2)「モニタリング・不正監視」では、労務管理、リスクシナリオにもとづいた不正監視、海外・地方等拠点管理や外部委託先の管理などを支援する。
(3)「内部監査のデジタル化」では、タスクマイニングや、監査テーマに応じたダッシュボード策定などを支援する。
なお、DTRSの特徴は、複数のプロセスマイニングツールを扱っている点である。具体的には、今回販売を開始したmyInvenioのほかに、ドイツのCelonis(日本法人はCelonis)のプロセスマイニングツールも扱っている(関連記事:「日本企業からの期待を実感、投資強化で貢献したい」─独CelonisのCEOにプロセスマイニングの今を聞く)。ユーザー企業の状況に合わせて、より適したツールを選定できるとしている。