IDC Japanは2020年7月9日、国内クライアント仮想化(VDI)市場におけるベンダーの競合状況を分析し、結果を発表した。オンプレミスで動作するVDIソフトウェアの売上額は7026億円で前年比11.8%増、ベンダー首位は日立製作所だった。クラウド型で提供するDaaSの売上額は789億円で前年比16.6%増、ベンダー首位はNTTデータだった。
IDC Japanの調査によると、オンプレミスで動作するクライアント仮想化(VDI)ソフトウェア市場の売上額は、2019年に7026億円となり、前年比11.8%増だった。ベンダー別では、上位から日立製作所、富士通、NEC、日本ヒューレット・パッカード、NTTデータ、日本IBM、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の順となった(図1)。日立は金融、自治体の大型案件獲得によって、初めて1位を獲得した。
クラウド型で利用できるクライアント仮想化(VDI)サービス(DaaS)市場の売上額は、2019年に789億円となり、前年比16.6%増だった。ベンダー別では、上位からNTTデータ、富士通、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、日立、NEC、IIJの順だった。NTTデータは、金融、公共案件などを獲得し、大きく成長した。
「2019年のVDI市場は、2018年と同様に、働き方改革やWindows 10への移行などが契機となった。その多くは更改案件である。VDIシステムは、オンプレミスとDaaSが混在するハイブリッドな構成の案件もあり、製品構成、提供形態、ともに複雑になっている。これにともない、投資額は増加傾向にある。導入前のアセスメント/PoCを含めたコンサルティングの割合も高まっている」(同社)。
今回の発表は、IDC Japanが発行した『国内クライアント仮想化市場シェア、2019 年:ゼロトラストモデルへの融合』(JPJ45142620)で詳細を報告している。本調査レポートでは、国内クライアント仮想化市場のベンダー競合状況について分析してまとめている。