アイ・ティ・アール(ITR)は2021年1月28日、国内のオンライン商談システム市場規模推移および予測を発表した。2020年度のオンライン商談システム市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による需要の急増により、前年度比176.9%増と急成長を予測している。
ITRによると、オンライン商談システム市場の2019年度の売上金額は13億円で、前年度比132.1%増と急速な伸びを示した(図1)。 「2019年度から本格的に市場が形成され、移動にかかる時間や諸経費の無駄を省き、生産性を高めるための製品・サービスとして市場認知度が高まっている」(同社)
同社はオンライン商談システムを、「電話とWebブラウザを組み合わせた遠隔営業支援システムで、PC画面の共有、トークスクリプト表示、テキストでのチャット、商談の記録といった機能を含む」と定義している。
今回の調査では、Webサイト上にすぐにビデオ通話(資料共有など可能)を開始できるボタンなどを配置し、顧客は特定のビデオ通話アプリケーションをインストールしていなくても、パスワード番号を入力するだけで、ブラウザ上で即座に商談を開始できる機能を有する製品・サービスを対象としている。
拡大画像表示
ITRは、技術的な進歩と働き方改革による意識の変化に加えて、2020年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、場所を問わず営業活動を継続させるために導入が加速していることから、前年度比176.9%増という急成長を見込んでいる。
COVID-19の収束後も、「ニューノーマルな働き方」としてオンラインでの商談はある程度定着することが予測される。ITRは、2024年度のオンライン商談システム市場は135億円、CAGR(年平均成長率、2019~2024年度)は59.7%の高い伸びを見込んでいる。