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芝パークホテル、宿泊予約管理業務をRPAで自動化、スタッフの作業を減らし接客サービスを向上

2021年3月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

芝パークホテル(東京都港区)は2021年3月18日、宿泊の予約を管理する業務をRPA(ロボットによる業務自動化)で効率化したと発表した。これまでスタッフが人手で対応していた作業時間をRPAで軽減したことで、余った時間を接客サービスの向上などに充てられるようになった。SIベンダーの日立システムズが構築を支援した。

 1949年開業の老舗ホテルである芝パークホテルが、宿泊予約の管理業務をRPAを用いて効率化を図った(図1)。これまでスタッフが手作業で対応していた作業をRPAで軽減したことで、余った時間を接客サービスの向上などに充てられるようになった。

図1:RPAの活用による業務改善イメージ図(出典:芝パークホテル)図1:RPAの活用による業務改善イメージ図(出典:芝パークホテル)
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 以前はフロントで接客対応中のスタッフがやむを得ず外線電話にも対応することがあったが、予約業務をRPAで効率化したことによって、予約業務を担当するスタッフが外線電話に一括して対応できるようになったという。

 RPAによる効率化により、外国籍スタッフに日本語での接客研修をするなど、接客サービスの向上にも取り組めるようになった。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策の徹底にも注力できたとしている。

サイトからの予約情報の抽出・反映をRPAで自動化

 RPAの導入にあたっては、宿泊予約管理業務の中でも、特に煩雑でスタッフの作業負荷が高く、RPAによる効率化が見込まれる作業を複数ピックアップし、段階的に自動化を進めた。

 例えば、ホテルの予約登録では、宿泊予約の多くは予約サイトからの申し込みである。芝パークホテルのWebサイト以外からのインターネット予約であっても、これを集約し、ホテルの施設管理システムに自動的に反映している。

 しかし、システム連携がされていないために集約できない予約サイトの場合は、ファクスやメールの情報を基に、スタッフが手入力で登録しなければならなかった。これが、負荷の高い作業の1つになっていた。

 この問題については、RPAを使って、予約サイトから最新の予約情報を抽出し、芝パークホテルの施設管理システムに自動で登録する仕組みを構築した。これにより、大幅に業務を効率化できるようになった。

各検索条件から宿泊履歴を自動チェックする仕組みを構築

 また、予約情報を集約して施設管理システムに連携できた予約の場合であっても、予約サイトごとにフォーマットが異なることから、宿泊履歴をチェックするためにスタッフが検索条件をいろいろと変えながら検索する必要があった。こちらも改善が求められていた。

 この問題については、RPAを使って各種の検索条件から宿泊履歴を自動的にチェックする仕組みを構築した。これにより、検索に漏れが生じる問題を解消し、素早く検索できるようになった。

 なお、RPAソフトウェアにはRPAテクノロジーズの「BizRobo!」を採用し、SIベンダーの日立システムズが構築を支援した。芝パークホテルによると、以前、別のRPAソフトウェアを使って自動化を試みたが、うまく適用できない業務があったほか、限られた作業時間の中で独力で推進するのは難しかったことから、導入を断念していたという。

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