クラウド型業務アプリケーション開発・実行環境「kintone(キントーン)」を提供しているサイボウズは2021年5月28日、地方銀行との協業による中小企業支援について発表した。地方銀行にITコンサルティングの専任チームを設置して中小企業のIT化を支援する形をとる。サイボウズは、地方銀行に対して、コンサルティング専門組織の立ち上げを支援する。
サイボウズの「kintone」は、クラウド型業務アプリケーション開発・実行環境(PaaS)である。業務用のWebアプリケーションを、ドラッグ&ドロップなどの操作で開発できる。営業の案件管理やプロジェクトの進捗管理、タスク管理、社員の業務日報など、各種のWebアプリケーションをノンプログラミングで構築できる(関連記事:サイボウズ、クラウド型業務アプリ開発・実行環境「kintone」にIF関数を追加、表計算から移行しやすく)。
サイボウズでは、kintoneで中小企業の業務をIT化する活動の一環として、地方銀行と協業している。地方銀行がITコンサルタントとなって銀行の顧客である中小企業の業務をIT化する、というシナリオである。ポイントは、顧客に対して外部のシステム構築会社を紹介するのではなく、地方銀行自らがITコンサルタントとして機能する点である。サイボウズは、地方銀行に対してコンサルティング専門チームの立ち上げを支援する(図1)。
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現在、サイボウズが協業している地方銀行は7行である(伊予銀行、山陰合同銀行、滋賀銀行、十八親和銀行、鳥取銀行、福邦銀行、北國銀行)。中には、メンバー数15人を超えるコンサルティングチームを抱えている銀行もあるという。地方銀行によるコンサルティングの実績は、実働3年間で170社以上に上る。
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