アイ・ティ・アール(ITR)は2021年6月15日、国内クラウド管理製品市場の規模推移および予測を発表した。2020年度の同市場規模は前年度比8.7%増で、複合的なクラウド管理の需要の高まりから、2025年度の市場規模は280億円に達すると予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は、仮想化/クラウド環境を対象に管理を行う製品市場をクラウド管理製品市場として調査を行っている。仮想マシン(VM)監視、キャパシティ管理、プロビジョニング/構成管理、課金(チャージバック)などの機能を含む。
調査では、2020年度のクラウド管理市場が売上金額ベースで174億5000万円、前年度比8.7%増となった(図1)。2021年度は同8.6%増の伸びを見込んでいる。
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「ハイブリッド環境やマルチクラウド環境を志向する企業が増加傾向にあることから、クラウド管理のニーズは徐々に高まりつつある。各種運用管理機能を提供するベンダー各社ともに、同市場の製品・サービスの強化を進めている」(同社)
ITRは、新規参入ベンダーも徐々に増加していることから、同市場のCAGR(2020~2025年度)は9.9%、2025年度には280億円に達すると予測している。
「企業のシステム形態は、2020年初めからのコロナ禍によって一気にクラウド化が進んだ。これに伴いオンプレミスとクラウドが併存するハイブリッドクラウド環境や、複数のクラウドを使用するマルチクラウド環境を持つ企業が増えている。こうした経緯から、クラウド管理は今後、企業システムの運用管理の中心になる」(同社)
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:運用管理市場2021』の概要。同レポートは、運用管理市場の全14分野を対象に、国内53ベンダーへの調査に基づいた2019~2020年度売上実績および2025年度までの売上予測を掲載している。