アグレックスは2021年8月26日、IBM i(AS/400)向けEDIサービス「Toolbox EDI Service」のインターネットEDI対応の強化を発表した。NTTデータの金融機関向けファイル伝送サービス「AnserDATAPORT」への接続に対応した。価格(税別)は、Toolbox EDI Serviceが月額3万円で初期費用20万円。AnserDATAPORT接続メニューが月額2万円で初期費用10万円。
アグレックスの「Toolbox EDI Service」は、日本IBMのオフコン「IBM i」(AS/400)で動作するクラウド型EDI(電子データ交換)サービスである(図1)。企業間で発生する受発注、出荷、返品、請求、支払などのデータ交換をワンストップで提供する。全銀TCP/IP手順やJCA手順などのレガシーEDIから流通BMSで使うインターネットEDIまで、標準的なプロトコルをすべてサポートする。
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ユーザーサイトのIBM iとクラウドサービス間は、従来型EDI(全銀TCP/IP手順)またはインターネットEDIの両方に接続できる。インターネットEDIに接続する場合は、別製品のJX手順クライアントソフトウェア「Toolbox JX Client」または全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)のソフトウェア「Toolbox全銀TLS+」が必要となる。
今回の機能強化では、NTTデータの金融機関向けファイル伝送サービス「AnserDATAPORT」への接続メニューを追加した。アグレックスが敷設した閉域IP網を経由してAnserDATAPORTに接続する。これにより、ユーザー自身で閉域IP網を敷設することなく、AnserDATAPORTを利用できる。
なお、AnserDATAPORTは、企業と金融機関を閉域IP網でつないでデータを安全に伝送できるようにするサービスであり、金融機関が採用している。給与振込や口座振替などの決済データに加えて、企業と金融機関で取り決めた任意のデータを伝送できる。
アグレックスが敷設した閉域IP網は、Toolbox EDI Serviceを利用しているユーザーが共用する。このため、個別に回線を用意するよりも安価にAnserDATAPORTを利用できる。また、閉域IP網の接続回線はメインとバックアップの2回線を用いた冗長構成を採用しており、メイン回線故障時はバックアップ回線に切り替わるため可用性が高い。