日立製作所は2021年10月6日、「SAP HANAクラウドサービス」のGoogle Cloud版を販売開始した。同年12月から提供する。同サービスは、SAP HANA基盤のアセスメント、設計、クラウド上での環境構築、運用管理までを提供するフルマネージド型サービスである。これまで日立のデータセンターからサービスを提供してきたが、新たにGoogle Cloud上での提供を追加した。
日立製作所の「SAP HANAクラウドサービス」は、SAP HANA基盤の構築から運用までを一括して提供するフルマネージド型サービスである。日立ヴァンタラの子会社である仏オキシア(oXya)との連携によって、グローバルで統一したサービスメニューを提供する。ユーザーは、グローバル展開時に全社共通のサービスを導入できる(図1)。
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SAP HANAクラウドサービス提供の背景について日立は、SAP ERPの標準サポートが2027年に終了することを契機に、SAP S/4HANAへの切り替えが進んでいることを挙げる。日立は、S/4HANAの基盤であるSAP HANAの安定稼働に主眼を置いたSAP HANAクラウドサービスを提供している。「一方、ユーザー企業各社は現在、データをトリガーとした経営判断の迅速化が求められている。このため、多くの経営データを蓄積する基幹システムのパブリッククラウドへの移行が進んでいる」(同社)。
こうした経緯から、今回、SAP HANAクラウドサービスをGoogle Cloud上で提供する。Google Cloudには、BigQueryやLookerなどのサービスがあり、S/4HANAをGoogle Cloud上で稼働することで、ユーザーは、需要予測や購買動向分析などのように、経営データを高度に分析しやすくなるとしている。
日立は今後、Google Cloudで利用可能なBI(ビジネスインテリジェンス)機能を備えたデータ分析基盤であるLookerの提供など、基幹システムのデータ活用に向けたサービス群を拡充する。加えて、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure上からのサービス提供も計画している。
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