ユニリタとキヤノンITソリューションズは2021年10月7日、「プロセス志向のアジャイル型ソリューション」を提供開始した。ユーザー自身による業務プロセスの可視化とアジャイル開発の内製化を支援する。両社は、2022年度中に累計10社への導入を目標にする。
ユニリタとキヤノンITソリューションズの「プロセス志向のアジャイル型ソリューション」は、ユーザー自身による業務プロセスの可視化とアジャイル開発の内製化を支援するサービスである。業務可視化ツールとローコード開発基盤を組み合わせ、特定業務を想定したテンプレートを提供する(図1)。
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業務分析/要件定義フェーズと実装フェーズを、同時並行的にテンプレートベースで推進する。ユーザーは短い工期で成果を上げられ、短期間での習得で要件定義と開発の内製化を推進できるとしている。
業務可視化ツールには、ユニリタの「Ranabase」を用いる。対象業務プロセスを改善するビフォー/アフターの姿を想定した業務プロセステンプレートを提供する。現状業務の 可視化、課題と対応策の特定、あるべき姿の業務プロセスの定義をコンサルテーションを通じて習得できる。
ローコード開発基盤には、キヤノンITソリューションズの「WebPerformer」を用いる。対象業務に必要なシステム機能の部品群をテンプレートとして提供する。また、エンジニアが開発をリードすることで、アジャイル開発を体験できる。
Ranabaseによる業務プロセスの編集方法、WebPerformerによるアジャイル開発方法の実践を通し、各種の活用法を短期間に習得できるとしている。業務プロセスをデジタル化するだけでなく、「そこで生み出されるデータをどのように活用して、意思決定に生かすか」を検討することで、データドリブンな改善サイクルが可能になるという。
両社は、想定する課題として以下を挙げている。
- 手作業やシステムの分断により業務が属人化し、意思決定につながる有意なデータの取得・蓄積・活用ができていない。
- 手作業のデジタル化やシステムの連携・統合を進めたいが、現状プロセスやデータ構造は拠点・事業・部署ごとにバラバラな状態で標準化が進められず、IT化に多大な時間とコストがかかる。
- 現状業務の可視化・分析やシステム化を企画・推進できる人材が不足している。
- システム構築はITベンダーに任せきりで、アジャイル開発を推進できる体制がない。
想定する効果として以下を挙げている。
- 現状業務とあるべき姿の業務プロセスを可視化し、並行して実機画面を見ながら機能検証ができる。これにより、関係者間の合意形成を進みやすし、理解齟齬による開発手戻りを防止できる。
- アジャイルでリリースを繰り返すことで、早期に着実な効果を生み出せる。
- 業務プロセステンプレートやシステム機能テンプレートを提供することで、工期を短縮化でき、高い費用対効果を得られる。
- 同サービスを体験することで、短期間に効果的なアジャイル開発手法を習得でき、ユーザー自らが継続的に業務とシステムを改善できる体制を確立できる。ユーザーのDX推進に中長期的な効果を生み出せる。
今後、ユニリタはRanabaseの機能を継続して強化し、サービスを拡充しながらクラウドサービス事業の拡大を図る。キヤノンITSは、WebPerformerの機能強化などに取り組み、ローコード開発基盤の市場拡大を図る。