伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2021年11月12日、クラウドサービス「OneCUVIC」を拡充すると発表した。日本IBMと協業し、IBM CloudとOneCUVICを接続するほか、IBM PowerサーバーやRed Hat OpenShiftなどのミドルウェアをOneCUVICから利用可能にする。CTCでは、今回の取り組みなどによって、OneCUVICのクラウドサービス事業を今後4年間で約650億円規模に拡大することを目指す。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、日本IBMとの協業によって、クラウドサービス「OneCUVIC」のサービスラインアップを拡充する(図1)。IBM CloudとOneCUVICを接続するほか、IBM PowerサーバーやRed Hat OpenShiftなどのミドルウェアをOneCUVICから利用可能にする。
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両社は、以下の4つの分野でOneCUVICのサービスを拡充する。
- ITインフラ利用型サービス
- アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービス
- マルチクラウドインテグレーションおよびマネージドサービス
- マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービス
それぞれの注力ポイントは、表1の通り。
サービス分野 | 注力ポイント |
---|---|
ITインフラ利用型サービス | 基盤デプロイスピード、構成種類、分散クラウド時代を見据えた設置場所などの多様性・柔軟性の向上 |
基幹システムが求める性能要件に応える、HWによる仮想化制御、大容量メモリー構成への対応による性能の向上 | |
アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービス | コンテナライズされたアプリケーションの開発及び実行基盤機能の実装 |
XaaS:様々なファンクションサービスの拡張(例:在宅ワーク向けVDI、AI、自動化など) | |
マルチクラウドインテグレーション&マネージドサービス | CUVICや各種パブリッククラウド(AWS、Azure、GCPなど)のインテグレーションサービス(設計・構築・実装)の拡充 |
マルチクラウド環境下における、ワンストップ運用サービスの拡充 | |
マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービス | マルチクラウド環境下のITインフラへの脅威を検知、対策を行うセキュリティ監視、インシデント対応サービスの拡充 |
ユーザーのアプリケーションやサービスへの脅威を予兆・防御するアプリケーションマネージドサービスの拡充 |
CTCと日本IBMの両社が組み合わせを検討するサービス製品は、CTCのCUVICシリーズ、CTCデータセンターサービス、CTCマルチクラウドマネージドサービス、CTC C-Nativeサービス、IBM Cloud、IBM Power、IBM Cloud Satellite、Red Hat OpenShift、IBM Cloud Pak for Watson AIOpsなどのミドルウェア群、である。
CTCのCUVICシリーズは現在、3つのデータセンターから提供している。今回の取り組みにより、第4と第5(東日本と西日本)のデータセンターを加えるとともに、IBM Cloudとつながる。IBM Cloudは全世界60拠点以上に展開するデーセンターネットワークを持つ。これを利用してCTCと日本IBM両社のビジネスを拡大する。