米Syniti(シニティー)の日本法人は2021年12月3日、SAP S/4HANAデータ移行アセスメントサービス「Syniti簡易アセスメントサービス」を開始する。SAP ERPからS/4HANAへのデータ移行について、アセスメントを無料で提供する。人海戦術(開発、スプレッドシートなどを駆使したマンパワー作業)によるデータ移行が抱えるスケジュール遅延や予算超過などのリスクを解消することが狙いである。
Synitiの「Syniti簡易アセスメントサービス」は、SAP ERPからSAP S/4HANAへのデータ移行をアセスメントによって支援するサービスである。ユーザーは、Synitiが用意するヒアリングシートを記入し、Synitiとの間で数回の打ち合わせを持つ。この後1週間前後で、Synitiがデータ移行のスケジュールや想定工数、役割分担などを提案する(図1)。
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Synitiはデータ移行に関する独自のメソドロジーを持っている。Syniti製品は、SAP以外にも、160以上のデータベースやパッケージ製品のデータテーブル構造をテンプレートとして保持している。これらSyniti製品とデータ分析エンジニア、オフショアリソースを活用し、データを安価に移行する。平均で50~60%程度の工数を削減できるとしている(関連記事:SAP S/4HANAデータ移行ツールのSynitiが日本法人設立、伊藤忠商事が採用)。
サービス提供の背景として同社は、ユーザーの多くがS/4HANAのデータ移行を人海戦術(開発、スプレッドシートなどを駆使したマンパワー作業)で進めていることを挙げる。「特に、S/4HANAを新規に構築するGreenfieldアプローチの場合、データ移行の実行責任がユーザー側にあるケースが多い。このため、データ抽出、データ変換、品質確認など各ステップごとにスケジュールの遅延が生じることが多く、予算超過のリスクも高まる」(同社)。