アイ・ティ・アール(ITR)は2022年1月25日、国内データ分析/レポーティング市場規模の推移と予測を発表した。2020年度の売上金額は前年度比6.8%増の237億円で、2021年度は前年度比9.5%増の成長を見込んでいる。2024年度には、SaaS市場の売上金額がパッケージ市場を上回ると予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内データ分析/レポーティング市場規模の推移と予測を発表した。2020年度の売上金額は前年度比6.8%増の237億円で、高い成長を維持するベンダーが多い一方、マイナス成長のベンダーもあり、ベンダーによって好不調が混在しているという(図1)。
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ITRは、多くのベンダーにおいて新規案件の獲得が順調に進んでいるとして、2021年度は前年度比9.5%増を予測している。「ある程度導入が進んだ市場だが、企業内のデータは増加と多様化の一途をたどっている。これらのデータの分析ニーズが着実に高まっていることから、今後も市場は安定した成長が見込まれる」(同社)。
パッケージとSaaSの提供形態別に見ると、2020年度のSaaS市場の売上金額は73億円で、パッケージ市場に比べて市場規模はまだ小さい。「しかし、前年度比で30.4%増を示しており、ここ数年急速な成長率を維持している。データのクラウド上への移行が進んでおり、データ分析/レポーティングの処理についてもSaaSを利用する企業が増えつつある」(同社)。
2021年度以降の市場成長の予測については、パッケージ市場のCAGR(2020~2025年度)が1.9%とほぼ横ばいにに対して、SaaS市場は同28.9%で、2024年度にはSaaS市場の売上金額がパッケージ市場を上回ると同社は見ている。
「データ分析/レポーティング・ツールの主な接続先であるデータウェアハウス(DWH)用DBMS市場では、2020年度のSaaS市場のシェアが9割を超え、市場の大半を占める。データ分析/レポーティング市場においてもSaaS市場の比率が急速に増大すると考えられる」(同社)。
発表した調査概要は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:DBMS/BI市場2022」を基にしている。同レポートは、RDBMS、データ分析/レポーティング、DWH用DBMS、データマネジメント、レプリケーション市場の全5分野を対象に国内全39ベンダーへの調査に基づいた2019~2020年度売上げ実績および2025年度までの売上げ予測を掲載している。