福岡市は、量子コンピュータを活用した「新型コロナウイルス感染症患者移送行程表作成システムサービス」を2022年1月に稼働させた。患者の搬送ルートをイジングマシンで最適化する。量子コンピューティングのクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を利用している。MAGELLAN BLOCKSを運営するグルーヴノーツ(福岡市中央区)が2022年2月3日に発表した。
福岡市は、量子コンピュータを活用した「新型コロナウイルス感染症患者移送行程表作成システムサービス」を2022年1月に稼働させた(図1)。患者の搬送ルートをイジングマシンで最適化する。量子コンピューティングによって組み合わせ最適化問題を高速に解くクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を利用している(関連記事:グルーヴノーツ、組み合わせ最適化問題を解くクラウドサービスを強化、イジングマシンを拡充)。
拡大画像表示
福岡市は、地域で新型コロナウイルス感染症の陽性者(以下、患者)が確認された際、管轄の保健所から宿泊療養の対象となる患者情報の連絡を受けて、福岡県が確保する宿泊療養施設への搬送計画を作成し、患者の搬送を行っている。この搬送計画は、一人ひとりの患者情報をもとに、宿泊療養施設の空室状況や搬送車ごとの定員、患者の自宅などを巡回する経路・所要時間、搬送可能時間など、さまざまな条件を勘案して、市の職員が作成している。。
今回、感染拡大によって搬送対象の患者が1日あたり100人、200人規模と増加した場合に備え、すぐに利用開始できるクラウドサービスの活用を前提に、搬送計画の作成に関する業務のシステム化を検討した。こうして、MAGELLAN BLOCKSを採用した。搬送計画のような、いつ、どこに、どの車両が、どの順番で回るとよいかを高速に導き出せる。福岡市では実際に、MAGELLAN BLOCKSの活用によって、搬送計画をワンクリックで作成できるようになった。