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データガバナンスを最重視し、データの信頼性を確保─SUBARUの全社データ統合基盤プロジェクト

2022年3月10日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

SUBARUが全社データ統合基盤構築プロジェクトを推し進めている。現在は第1期(2020~2021年度)にあたる。2022年3月10日、日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)主催の「データマネジメント2022」のセッションに、SUBARUでCIOを務める臺卓治氏と、情報システム部の担当部長を務める野口清成氏が登壇。自動車業界を取り巻く変化を解説すると共に、全社データ統合基盤の狙いなど、SUBARUのデジタル化への取り組みを紹介した。

 「自動車業界は、100年に1度の変革期を迎えている」と、SUBARUでCIOを務める臺卓治氏は言う(写真1)。臺氏が指摘する大きな変化は2つ。1つは、自動車がIoT化して外部ネットワークにつながるようになったことで、自動運転もこの一部である。もう1つが、カーボンニュートラルに即した取り組みとして電動化が進んでいること。こうした大変化の時代に、SUBARUはデータマネジメントの取り組みをもって対応していくとしている。

写真1:SUBARU 専務執行役員 CIO IT戦略本部長 兼 経営企画本部副本部長の臺卓治氏写真1:SUBARU 専務執行役員 CIO IT戦略本部長 兼 経営企画本部副本部長の臺卓治氏
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 臺氏は、今から3年前にSUBARUのCIO(最高情報責任者)に就任した。経済産業省によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の定義のうち「製品やサービス、ビジネスモデルの変革」をSUBARUのゴールに据える。モノづくりでは業務プロセスの変革を、コトづくりでは顧客との直接の接点を利用した、新たな顧客体験の創出を目指した。

 続いて登壇した、情報システム部門の担当部長である野口清成氏は、SUBARUの具体的なデータ管理の取り組みを説明した(写真2)。SUBARUは2019年、IT戦略本部において「デジタルイノベーションラボ」という活動を立ち上げ、業務プロセス変革と顧客体験創出に着手した。

写真2:SUBARU IT戦略本部 デジタルイノベーション推進部長 兼 情報システム部担当部長の野口清成氏写真2:SUBARU IT戦略本部 デジタルイノベーション推進部長 兼 情報システム部担当部長の野口清成氏
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 新たな顧客体験は、行動分析などの手法によって提供する。これにより、SUBARUのファンになってもらう。具体的な成果の1つが、スマートフォンアプリの「SUBAROAD」(2021年12月7日にリリース)である。ルートを案内するナビゲーションにおいて、最も短時間で行けるルートではなく「遠回りだけど景色がよくて走り甲斐のあるルート」を案内する。

「全社データ統合基盤」でモノ作りのプロセスを改善

 一方、モノづくりにおいては、業務プロセスを改善する。具体的には、全社でデータを統合的に管理できるシステム基盤「全社データ統合基盤」を構築する。企画、設計、製造、販売、顧客にまたがった車両の生涯情報を、VIN(車両番号)を基軸に一気通貫で捉える基盤である。最終的には、新たな価値の創造へとつなげる。

 SUBARUのこれまでのシステムは、個別最適でサイロ化していた。情報の横連携が難しかった。複数のデータを組み合わせて分析する場合、個々のシステムにログインしてデータを探さなければならなかった。

 こうした状況を改善するため、部門最適ではなく、横断的にデータを活用できる「グローバルPLM活動」をスタートした。あらゆる情報データをつないで経営判断に使えるようにする狙いがある。この活動と並行して、全社データ統合基盤の構築に着手した。

 全社データ統合基盤の目標は、「データがつながることによって、新たな価値を創出すること」(野口氏)である。データそのものの価値を上げ、信頼性の高いデータを経営判断に役立てる。

●Next:SUBARUがデータガバナンスを最重視する理由

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