イオングループのスーパーマーケット運営会社、マックスバリュ東海(静岡県浜松市)と三菱商事グループの弁当・惣菜製造会社、グルメデリカ(埼玉県所沢市)は、勤務シフトの作成に量子コンピュータを活用している。また、製麺会社のニッセーデリカ(東京都千代田区)は、AIモデルを使って注文量を予測している。3社のシステムを手がけたグルーヴノーツ(福岡県福岡市)が2022年3月29日に発表した。
マックスバリュ東海とグルメデリカは、勤務シフトの作成に量子コンピュータを活用している。ニッセーデリカは、AIモデルを使って注文量を予測している(図1)。これらの仕組みには、グルーヴノーツのクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を利用している(関連記事:グルーヴノーツ、組み合わせ最適化問題を解くクラウドサービスを強化、イジングマシンを拡充)。
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これまでの経緯として、グルーヴノーツは一般社団法人日本惣菜協会および同協会の会員である惣菜製造企業5社と連携し、「量子コンピュータを活用した最適なシフト作成」と「AIを活用した注文量の予測」の実現に取り組んできた。狙いは、惣菜製造業界全体の課題である「労働力の確保」と「廃棄ロスの削減」の解決である。惣菜製造各社が共通的に利用できるシステムとして開発した。
プロジェクトではまず、課題に応じてモデル企業を定め、業界に共通する要件の抽出・整理を行った。この共通化・標準化した要件をもとに、量子コンピュータによる月別や日別のシフト最適化モデルと、AIによる注文量の予測モデルの構築・改善に取り組んだ。今回、各社の現場業務において、シフト作成システムと注文量予測システムの運用を開始した(写真1)。
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