中部電力グループで発電設備の建設・保守・運転などの事業を展開する中部プラントサービス(愛知県名古屋市)が、会計システムを刷新した。証憑管理をペーパーレス化したほか、Excelとの連携によって業務プロセスを高度化し、会計に関わる業務の生産性を高めている。既存の会計システム「SuperStream-CORE」(スーパーストリームが提供)から後継パッケージの「SuperStream-NX」に置き換え、稼働環境もオンプレミスからパブリッククラウドのAWS(Amazon Web Services)に移行した。SIベンダーのTISが2022年4月27日に発表した。
中部プラントサービスが、2005年から運用してきたスーパーストリームの会計システム「SuperStream-CORE」を、後継パッケージ「SuperStream-NX」に置き換えた。狙いは、経理関連の間接業務の生産性を高めることで、証憑管理をペーパーレス化したほか、Excelとの連携によって業務プロセスを高度化した。また、稼働環境もオンプレミスからパブリッククラウドのAWSに移行した(図1)。
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会計システムの刷新によって、社外から受領した証憑(請求書や領収書)をペーパーレス化。取引先から「過去の支払先の明細を教えて欲しい」と依頼があった際も、以前のように紙の束から探すことなく、画面上で瞬時に確認が可能である。ワークフローでは、紙の原本やファクスの到着を待つことなく、請求内容の確認や、支払い処理への着手が可能になったという。
加えて、Excelとの連携を強化し、経理部門における伝票の起票作業やチェック作業を削減。賞与引当金繰入などの明細行数の多い伝票を起票する際、Excelファイルから情報をコピー&ペーストするだけで、複数行に一気に情報を入力できるようになった。以前は、1行ずつ手で入力する必要があった。
決算財務系の承認作業においても、以前は給与や人件費のリストを確認する際、給与システムから何十枚もの紙をプリントし、電卓で集計結果を確認していたが、会計システム刷新後は、Excelファイルでリストを書き出せるようになった。Excel上で、計算式を入れて自由な切り口でチェックできるようになったという。
なお、今回のシステム刷新では、アドオンやフロント入力システムなどの開発を極力行わず、標準機能を最大限活用した。中部プラントサービスでは「社内で慣習化していた会計業務手順をパッケージ側に寄せて棚卸しすることで、標準化が進んだことも大きな成果」としている。