[調査・レポート]

2021年の国内コンサルティング市場は前年比11.4%増の5724億円、コロナ禍の影響を脱し復調─IDC

2022年5月27日(金)IT Leaders編集部

IDC Japanは2022年5月26日、国内ビジネスコンサルティング市場の予測を発表した。2021年の予測値は前年比11.4%増の5724億円で、コロナ禍の影響を脱し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の需要を追い風に再び高成長の軌道に乗るとしている。

 IDC Japanは、国内におけるビジネスコンサルティング市場の予測を発表した。2021年の予測値は前年比11.4%増の5724億円で、コロナ禍の影響を脱し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の需要を追い風に再び高成長の軌道に乗るとしている(図1)。

図1:国内ビジネスコンサルティングサービス市場支出額予測:2021年~2026年(出典:IDC Japan)図1:国内ビジネスコンサルティングサービス市場支出額予測:2021年~2026年(出典:IDC Japan)

 ビジネスコンサルティング市場は2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によるマイナス影響から成長率が一時的に低下した。IDCの予測では、DX支援の需要を追い風に、成長率が再び2ケタになるという。2023年以降も全サービスセグメント/産業分野で高成長を維持し、2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR)は8.8%で、2026年に8732億円に達するとしている。

 サービスセグメント別では、2021年は戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革、GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)その他の全セグメントで2020年から成長率を大きく回復しているという。「特に、業務改善コンサルティングは、顧客接点や営業/CRM(顧客関係管理)、サプライチェーン、エンジニアリング/製造など幅広い分野において、業務プロセス変革やオペレーションの見直しに向けた需要が牽引した。また、戦略コンサルティングは、COVID-19によるマイナス影響からの反動増から、相対的に高成長となった」(同社)。

 産業分野別では、市場規模の大きい金融業や製造業における活発なコンサルティング需要が継続していると同社は指摘する。「旅客業など依然としてCOVID-19の感染拡大による事業影響を強く受けている一部の業態を除き、需要先導型で市場が成長している。2022年以降も、業際/クロスインダストリでの連携や、全産業でのESG(環境、社会、ガバナンス)関連/社会課題解決に向けた案件の増加にともない、産業分野別の成長率に顕著な違いはなく、高成長を継続する」(同社)。

 一方で、課題となっているのが、ビジネスコンサルティング業界におけるデリバリー人材の不足と、人材獲得に向けた競争の過熱であるという。「人材獲得に向けた競争が過熱する中、コンサルタントの育成プログラムの強化と、1人当たりの生産性の向上が、市場全体の課題である」(同社)。

 今回の発表は、IDC Japanが発行した「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2022年~2026年」で詳細を報告している。同調査レポートでは、IDC Japanが定める国内ビジネスコンサルティング市場の概況や動向を分析し、サービスセグメント(戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革、GRCその他)および産業分野別の予測をまとめている。

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