[海外動向]

ニュージーランドラグビー協会、DX推進でSAPとパートナーシップ締結

2022年5月31日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)

ニュージーランドラグビー協会は、独SAPと複数年の主要パートナーシップ契約を締結した。SAPを同協会初の主要テクノロジーパートナーとして連携し、協会運営に関わるあらゆるビジネス領域でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。同時に、SAPは同協会のオフィシャルプレミアムグローバルパートナー、オフィシャルテクノロジーパートナー、オフィシャルクラウドソフトウェアパートナーとなる。SAPが2022年5月26日(ドイツ現地時間)に発表した。

 「オールブラックス」の愛称で知られるラグビーニュージーランド代表チーム。同チームを頂点とする同国のラグビー連盟を統括するのが、1892年設立のニュージーランドラグビー協会(New Zealand Rugby:NZR、画面1)である。

画面1:ニュージーランドラグビー協会(NZR)のWebサイト(https://www.nzrugby.co.nz/
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 NZRは、同協会にとって初めての主要テクノロジーパートナーとして、独SAPと複数年の主要パートナーシップ契約を締結した。SAPのクラウドプラットフォーム/製品群を導入し、協会運営に関わるあらゆるビジネス領域でDXを推進。チームインブラック(注1)をはじめとしたNZRが運営する広範なラグビーエコシステムが、フィールドの内外で競争力を発揮できる環境構築を目指すとしている。

注1:ラグビーニュージーランド代表であるオールブラックスをはじめとする関連チームの総称。他にブラックファーンズ、オールブラックス・セブンズ、ブラックファーンズ・セブンズ、マオリ・オールブラックス、オールブラックスXV、オールブラックス・アンダー20がある。

 「SAPはテクノロジーインフラを構築するにあたり必要となる専門知識、ソリューション、規模を有している」と、NZRはSAPとのパートナーシップ締結に至った理由を説明する。このパートナーシップの下、NZRはSAP製品群を活用しながら共同で4つの主要分野に取り組む。主要分野とは、「運営を実行・強化する統合管理システムの構築」「ファンエクスペリエンスの向上」「組織のサステナビリティ目標の実現」「データとソリューションを活用してチームパフォーマンスを支援する方法の検討」の4つ。各分野での取り組みによる、NZRは下記の4つの成果を目指すとしている。

●組織的なオペレーション:デジタルハブを中心に据えた相互接続システムを構築し、各チームをIT面でサポートする。
●チームパフォーマンス:「SAP SuccessFactors」でNZR傘下組織の人事・人材管理を一元化し、従業員エクスペリエンスを向上させる。
●ファンエクスペリエンス:ファンとの新たな交流の方法を生み出すと共に、ファンがチームや選手をより身近に感じられるように新しいテクノロジーやプラットフォームを活用する。
●サステナビリティ:NZRのサステナビリティパフォーマンスを統合管理できる仕組みを構築し、ESG(環境・社会・ガバナンス)戦略をサポートする。

 NZRの最高情報技術責任者であるアンジェラ・ナッシュ(Angela Nash)氏は、次のように述べている。「NZRは大規模なDXに取り組み、世界で最もテクニカルなラグビー協会になるというビジョンを持っている。その達成のために、グローバルなテクノロジー組織のサポートと専門知識を必要としている。今回、SAPを最初のテクノロジーパートナーとして迎え、フィールドの内外で最高のパフォーマンスを発揮すべく、IT/システムを刷新・強化できるよう協力していく」。

 ニュージーランドラグビーに関わる選手やコーチ、経営陣、職員など人材は多数多様である。NZRとSAPは、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を促すプログラムやイニシアチブの追加開発にも重点を置くとしている。

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