LegalForceは2022年6月3日、契約書管理サービス「LegalForceキャビネ」の機能を強化したと発表した。リスクがある契約書に対する「フラグ付け」機能が加わった。契約書の一覧画面でフラグを表示するほか、フラグを付けた契約書を絞り込んで検索できる。リスクがある契約書を把握・注意しやすくし、契約締結後のリスク管理に役立つとしている。
LegalForceの「LegalForceキャビネ」は、締結済みの契約書をデジタル化してクラウド上で管理する契約書管理サービスである。紙の契約書をスキャンしてアップロードすると、AI-OCR(光学文字認識)機能でテキストデータ化する。どのうえで契約情報(タイトル、契約締結日、契約当事者名、契約開始日/終了日など)を抽出して契約管理台帳を自動作成する。
テキストデータ化により、登録した契約書の全文検索が可能である。閲覧権限を所属組織やユーザーごとに設定でき、営業部門と管理部門が共有する契約書や、人事部門だけが閲覧できる契約書といった管理を可能にする。
契約書の更新期限を自動計算し、メールでリマインドを送る。不要な契約の更新や重要な契約の終了を防止する。各契約書には担当者も設定できる。契約書の担当者が一目で分かるので、締結後の契約書を放置してしまうことを防止する。
契約上のリスクがある契約書にフラグを付けて監視
今回、LegalForceキャビネの機能を強化し、自社に特別な義務が定められるなど契約リスクがある契約書への「フラグ付け」機能をリリースした。契約書の一覧画面でフラグを表示できるほか、フラグを付けた契約書に絞り込んで契約書を検索可能である。また、契約書にフラグを付ける画面では、どのようなリスクがあるのかといった注意事項をテキスト形式で記入できる(画面1)。
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契約締結前のレビューや審査の結果、リスクを残したまま締結に至るケースがあることから同機能を追加した。「リスクのある契約書については、締結後もリスクを把握し、適切に管理していくことが求められる。しかし、担当者の引き継ぎなどによって管理漏れが発生することがある。また、膨大な数の契約書の中で後からリスクのある契約書を探すことは困難である」(LegalForce)。
LegalForceは、企業のコンプライアンスを司る法務部門/担当者に向けたリーガルテック(LegalTech)関連製品・サービスを提供するベンダーである(関連記事:人手不足で多忙の法務部門を救う「リーガルテック」、最新動向と活用事例)。
LegalForceキャビネのほかに、契約書のレビュー業務をAI技術で効率化するクラウドサービス「LegalForce」を提供している。契約書のWordファイルをアップロードすると、「競業避止義務条項」や 「違約金条項」といった契約書に潜むリスクを指摘してくれる(関連記事:LegalForce、契約書のレビュー業務をAIで効率化するクラウドサービスのベータ版を公開)。