サイバートラストは2022年6月7日、IoT/組み込み向けLinux OS「EMLinux」で、Armに加えてx86 CPUでも動作するようにしたと発表した。Linuxを利用する機器メーカーに向けてOSの選択肢を拡大した。各種用途で実績のあるx86環境で動作することにより、10年間脆弱性パッチを提供するEMLinuxの長期間のセキュリティメンテナンスが、より幅広い分野で利用可能になる。
EMLinuxは、IoT/組み込み向けのLinuxディストリビューションである。10年以上にわたってサポートを提供する(関連記事:サイバートラスト、IoT組み込み用の「EMLinux」評価版を公開、10年以上の長期サポートを提供)。
IoT/組み込み機器に必要なネットワーク機能やGUIソフトウェアパッケージを標準で提供する。セキュリティ面では、複数の脆弱性情報データベースを参照し、OSを構成する個々のパッケージに対する脆弱性パッチの適用状況を検査する機能を備えている。
今回、IoT向けのCPUであるインテル Atomプロセッサーx6000Eシリーズ(Elkhart Lake世代)での動作サポートを追加した。これによりEMLinuxは、x86 CPU全般で動作し、以下のようなニーズをカバーする。
- PC サーバー向けソフトウェアなどの既存資産を活用したいニーズに対して、セキュリティや脆弱性対応を含めた長期サポートを提供
- エッジコンピューティングのフィールドでの利用に向けて、台数分のライセンスコスト負荷を削減
- 幅広いハードウェア構成において、EMLinux の共通利用によるコストダウンを実現
- x86 環境で開発する高機能なシステムやAI処理などの分野において、長期サポートにより先端技術を安心して活用