富士通とセールスフォース・ジャパンは2022年6月21日、ヘルスケア領域の新サービス創出で協業すると発表した。まず、保険会社向けに保険商品のパーソナライズを支援するシステムを開発する。AIが予測した個人ごとの疾病リスクをベースにした保険商品を開発できるように支援する。2023年度の実用化を目指す。
富士通と米Salesforce.com日本法人のセールスフォース・ジャパンは、ヘルスケア領域の新サービス創出で協業する。まず、保険会社向けシステムで保険商品のパーソナライズを支援する。保険会社や医療機関が提供した医療や健康データをもとにAIが個人の疾病リスクを予測し、これに基づいた保険商品の開発を支援する。2023年度の実用化を目指す。
保険会社は、開発するシステムを使うことで、個々の顧客に適した保険商品を提供可能になる。さらに、パーソナルデータの活用により、これまでの平均値に基づくモデルではない、新しい保険モデルを用いて、予防、診断、治療、予後までをカバー可能になる。また、新たな保険商品を開発する期間が短くなるほか、システム構築費用を抑えられる。
2社の協業において富士通は、電子カルテ上の医療データを安全に活用できるようにする仕組みを構築する。また、特定疾病の予兆を検知する分析技術や、パーソナライズ化したヘルスケアサービスを開発して提供する。一方、セールスフォースは、医療業界に特化したCRM(顧客関係管理)サービス「Health Cloud」、外部データを統合する「MuleSoft」、患者データを分析するBIツール「Tableau」などを提供する。
協業の背景について両社は、個人の健康状態や疾病状況は生活環境やライフスタイルによって異なるため、よりパーソナライズ化されたヘルスケアに関する情報やサービスの提供が求められていることを挙げる。「保険会社は、加入希望者一人ひとりにより寄り添った保険商品を提供するため、保険商品のパーソナライズ化に取り組んでいる」(両社)。