NTTテクノクロスは2022年7月19日、映像サービス「超高臨場映像ソリューション」の新サービスとして、AIを使って映像から被写体だけを抽出する機能を発表した。同年7月25日から販売する。これまでもグリーンバック背景などを用いずに被写体の抽出を行っていたが、より多くのシーンで利用可能になる。価格は要問い合わせ。
NTTテクノクロスの「超高臨場映像ソリューション」は、映像から被写体を抽出して切り出し、背景映像と組み合わせて配信する映像サービスである。例えば、講演者などの被写体をスタジオで撮影しつつ、あたかも現場(ロケ地)にいるかのような映像に仕立てて配信できる。
今回、AIを使って映像から被写体を高精度に抽出する新サービスを提供する(図1)。これまでもグリーンバック背景などを用いずに被写体の抽出を行っていたが、より多くのシーンで利用可能になる。
新サービスでは、NTTが開発した「深層学習を用いた被写体抽出技術」を採用している。被写体と背景のそれぞれの映像を教師データとして事前学習させることで、被写体と背景の色が類似している領域や、背景の照明効果によるあいまいな領域をAIが推論する仕組み。
なお、深層学習を用いた被写体抽出技術は、古典歌舞伎とテクノロジーの融合の試みとして、2022年夏上演の「超歌舞伎2022 Powered by NTT」(製作:松竹・NTT・ドワンゴ)の演出に用いられる予定。同技術を利用した「分身の術」は、同公演のおなじみの演出として好評を得ているという。