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富士通、川崎重工、SAP、Skillnoteが製造業のDX支援で協業、システム基盤や標準業務プロセスなどを提供

PoCを経て、2023年7月のサービス開始を目指す

2022年11月22日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通、川崎重工業、SAPジャパン、Skillnoteの4社は2022年11月22日、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステム基盤サービスの提供に向けて協業すると発表した。4社のアセットを組み合わせ、システム基盤、製造業務プロセス、製造業向けアプリケーション、製造現場のスキル管理サービスなどを提供する。今後、複数企業のPoC(概念検証)を経て、2023年7月のサービス開始を目指す。

 富士通、川崎重工、SAPジャパン、Skillnoteの4社は、製造業のDXを支援するシステム基盤サービスの提供に向けて協業する。4社のアセットを組み合わせ、システム基盤(富士通)、製造業務プロセス(川崎重工)、製造業向けアプリケーション(SAPジャパン)、製造現場のスキル管理サービス(Skillnote)などを提供する(表1)。

表1:協業する4社の役割(出典:富士通、川崎重工業、SAPジャパン、Skillnote)
富士通 プラットフォームサービスの構築と運営
川崎重工業 業務プロセスの提供
SAPジャパン アプリケーションとプラットフォームの提供
Skillnote 製造現場のスキル管理・資格管理・教育管理サービスの提供

 想定するユーザーは、航空機、鉄道、船舶、大型機械の製造といった、人手による作業への依存度が高い製造業。今後、システム基盤サービスを開発するとともに、ユーザー企業や各種団体へのヒアリングをもとに周辺の支援サービスをメニュー化する。

 2023年度上期にかけて、航空機エンジンの部品製造などを行うAeroedge(本社:栃木県足利市)を皮切りに数社でのテストを実施する。その後、2023年7月のサービス開始を予定する。

 特徴の1つは、設計部門から製造現場までをワンストップでつなぐ業務プロセスを提供すること。川崎重工の航空宇宙システムカンパニーが航空機の製造プロセスを標準化・デジタル化した事例を基に、効率的な製造業務プロセスを汎用化して提供する(関連記事川崎重工、SAP S/4HANA導入で航空機の設計・製造プロセスを効率化、2020年7月に稼働)。

 川崎重工の事例では、製造業務プロセスを効率化する製造業向けERPアプリケーション「SAP S/4HANA Manufacturing for Production Engineering and Operations(SAP PEO)」を導入している。SAP PEOを使って製造現場をERPやPLMと連携させることで、エンジニアリングチェーンとサプライチェーンをワンストップでつなぎ、製造現場の状況をリアルタイムで把握できるようにしている。

 ユーザー主体でシステムを導入できるように、富士通のシステム導入ノウハウやコンテンツをサービス化して提供する。また、ユーザー企業が主体的に業務変革やシステム運用の継続的な改善を実行できるように、DXスキルの向上を支援する。

 業務を標準機能に合わせつつ、システムに対する改善要望を反映できるように、システムの標準機能をユーザー参加型で育てる仕組みを用意する。システムに対する改善要望と開発優先順位をユーザーとベンダーで共有する。

 「製造現場における製造管理業務はデジタル化が遅れており、人手に頼る作業も多い。各社の局所的なデジタル化が全体最適を阻む懸念もある。これらの課題を解決し、共通化したデータや情報を使い、高品質なものづくりを効率よく継続するシステム基盤が求められている」(4社)

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