クラスメソッドは2022年12月13日、Slackユーザー向けアーカイブサービス「Slackデータアーカイブ基盤」を提供開始した。Slackへのメッセージ投稿と編集・削除のログを収集・蓄積するサービスである。フォレンジックや内部統制に役立つ。対象となるSlackのプランは、最上位の「Enterprise Grid」である。価格は、初期構築費用が24万円。Slackユーザー数に応じて4つのプランを用意した(最小構成プランは1000人まで)。発注から2週間程度で利用を始められる。
クラスメソッドの「Slackデータアーカイブ基盤」は、ビジネスチャット/コミュニケーションツールの「Slack Enterprise Grid」のアーカイブサービスである。Slackでの投稿、ファイル、URLリンクなどのデータを、ユーザー企業専用に構築したクラウド上のデータアーカイブ基盤に蓄積する。編集・削除したメッセージや添付ファイルまで、あらゆる利用の履歴を記録し、フォレンジックや内部統制に役立てることができる(図1)。
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APIを介してSlackからデータを収集し、ログデータとしてAmazon Web Services(AWS)に蓄積する。データ連携にあたってユーザー側で何かを開発する必要はない。初期構築時に、過去のある日時以降のデータを収集するように指定可能である。収集したデータは、セキュリティログ管理ツールやAWS/Google Cloudのデータ分析サービス、各種BIツールなどで可視化することで、コミュニケーションの可視化や証跡管理などの用途に利用できる。
クラスメソッドは、「Slack上でトラブルが起こったが証跡が残っておらず、事実確認ができない」「ハラスメントや不適切な発言を調査したい」「情報漏洩を抑止したい/痕跡を調査したい」といったケースに役立つとしている。
同社が想定している主なユースケースは、以下のとおり。
- コミュニケーションの可視化
- ユーザー間のつながりを可視化
- 発言頻度やスタンプなどを計測することによって、ユーザーの不調を検知・予測
- デジタルフォレンジックとしての利用
- ハラスメントやインサイダー取引など、インシデントが発生した後の調査
- 発言の記録や共有ファイルの証跡を保管
- 内部統制
- 稟議やその他の意思決定に伴う情報共有の証跡を保管