野村総合研究所（NRI）は2023年7月4日、金融機関の基幹システムをローコードで開発したと発表した。同システムは、2023年2月に稼働している。ローコード開発の効果として、開発/テスト工程の期間を3割短縮した。ローコード開発ツールには「Oracle APEX」（Oracle Application Express）を利用した。
野村総合研究所（NRI）は、金融機関の基幹システムをローコードで開発した。2023年2月より稼働開始している。ローコード開発の効果として、開発/テスト工程の期間を3割短縮した。
ローコード開発ツールには、日本オラクルの「Oracle APEX」（Oracle Application Express）を利用した。「市場にローコード開発ツールは多いが、ツールによっては拡張性が低く、小規模でシンプルなアプリケーションの開発に利用が限定されてしまう」（NRI）として約20種類のツールを調査したという。
ローコード開発の開発者数は従来のプログラミング方式と同等だが、システム開発工程とテスト工程の期間を約3割短縮できた。この理由として同社は、Oracle APEXが提供する複数のUIパーツを組み合わせることで、必要最小限のプログラミングで開発できたことなどを挙げる。
NRIはSIベンダーとして、今後3年で300人以上のOracle APEX開発者を育成し、引き続きOracle APEXを活用したローコード開発を進めていく。コンサルティングから、実際のローコード開発によるシステム設計・構築・運用に至るまでの工程を一括で提供する。
同社によると、ローコード開発の採用にあたっては、手法が適切かの判断に始まり、全体アーキテクチャの設計、運用監視、長期的な維持保守を効率化するためのCI/CD（継続的インテグレーション/継続的デリバリ）の実現方法に至るまで、総合的な検討が求められる。
