TOPPANホールディングス（2023年10月に凸版印刷から商号変更）と富士通は同年10月18日、医療ビッグデータ事業の推進に関する業務提携契約を締結したと発表した。匿名加工した電子カルテデータベースに、TOPPANの分析技術と富士通のデータクレンジング技術を組み合わせ、同事業に特化したデータ分析サービスを共同開発する。
TOPPANホールディングスと富士通は、医療ビッグデータ事業の推進で協業する。匿名加工した電子カルテデータベースに、TOPPANの分析技術と富士通のデータクレンジング技術を組み合わせ、医療ビッグデータを分析して研究開発や診療を支援するサービスを共同開発する。
TOPPANは、医療情報分析・提供サービス「DATuM IDEA（デイタム イデア）」に、一般財団法人日本医師会医療情報管理機構（J-MIMO）によって匿名加工された電子カルテデータを導入する。その際、富士通のデータクレンジング機能を用いて、病院ごとにデータ形式が異なっている診療データを構造化する（図1）。
図1：医療情報分析・提供サービス「DATuM IDEA」の概要（出典：TOPPANホールディングス）拡大画像表示
富士通は、匿名加工された電子カルテデータを活用し、製薬企業や医療機関向けのSaaS型分析サービスの開発を担当する。医薬品開発プロセスの効率化や医療品質向上に資する、診療データの可視化やアドホック分析などの機能を開発するほか、予測・予兆医療などのAIモデルの研究開発に携わる。
取り組みの中で両社は、データ分析における電子カルテデータ量を拡大していく。医療機関およびJ-MIMOと連携し、電子カルテに格納される医療情報に加え、退院時のサマリー、看護記録、手術記録などこれまで活用されていなかったデータ項目を収集して分析対象にする。患者一人ひとりにおける個別化医療を実現することを目指すとしている。
