東芝デジタルソリューションズ(TDSL)は2024年2月6日、組み合わせ最適化演算サービス「SQBM+」の提供形態を拡充し、Microsoft Azure上のサービス「SQBM+ for Azure」として提供開始すると発表した。Azure Marketplaceから購入できる。料金は事業向けの標準プラン「Business Standard」で1時間1800ドルから(仮想マシンの性能に応じて変動)。別途、実行基盤のIaaS「Azure Virtual Machines」の費用がかかる。
東芝デジタルソリューションズ(TDSL)の「SQBM+」は、量子コンピューティングに着想を得たイジングマシンソフトウェア「シミュレーテッド分岐マシン(SBM)」を中核とした組み合わせ最適化演算サービスである(関連記事:TDSL、量子イジング型の組み合わせ最適化問題演算サービス「SQBM+」を提供)。
SBMは、最大10万変数のイジング問題を解くイジングソルバー(解法)により、既存の計算機で複雑・大規模な問題に対し高精度な近似解(良解)を短時間で得る。アルゴリズムは高速な「弾道的シミュレーテッド分岐アルゴリズム(bSB)」と高精度な「離散的シミュレーテッド分岐アルゴリズム(dSB)」を自動で使い分ける。
組み合わせ最適化は、問題の規模が大きくなるにつれて組み合わせパターンの数が指数関数的に増大する。このため、既存の計算機で高速に解くことは困難である。SQBM+は上記の量子着想技術によりこの課題をクリアしている。
今回、SQBM+の提供形態を拡充し、Microsoft Azure上のサービス「SQBM+ for Azure」として提供する。2022年3月に、Azure版に先行して「SQBM+ for AWS」の提供を開始している(関連記事:TDSL、組み合わせ最適化演算サービス「SQBM+」をAWS Marketplaceで提供開始)。
なお、TDSLは、PoC(概念検証)の時点では両版とも提供し、2022年6月には、Azureの量子コンピューティングサービス「Azure Quantum」で利用可能な「SQBM+ Cloud on Azure Quantum」のPoC版をリリースしていた(その後、提供終了)。
今後、ユーザーはAWS版とAzure版を選べる。両版ともマーケットプレイスからSQBM+を購入し、それぞれのIaaS(仮想マシンのインスタンス)で動作させる利用形態になる。
SQBM+ for Azureの料金は、事業向けの標準プラン「Business Standard」で1時間1800ドルから(仮想マシンの性能に応じて変動)。別途、実行基盤のIaaS「Azure Virtual Machines」の費用がかかる。