TISインテックグループのAJS（本社：東京都新宿区）は2024年3月13日、販売管理業務にSAPジャパンの業務プロセスモデリング/マイニングツール「SAP Signavio」を適用した業務の標準化・可視化の取り組みを発表した。担当者によって最大20％サイクルタイムを改善し、残業時間を30％削減している。非効率が生じていた業務を迅速に改善する仕組みを確立し、業務関連コストを試算どおり、約30％の削減を実現した。
AJSは旭化成グループの情報システム会社として設立され、現在はTISインテックグループでさまざまな企業にITサービスを提供している。AJSによると、同社の販売管理業務においては個別最適の積み重ねの結果、標準となる業務プロセス/フローが確立されておらず、過剰な情報伝達やチェック作業の重複などの非効率が生じていたという。
そこでAJSは、販売管理業務プロセスの標準化と自動化による効率向上を目的に、SAPジャパンの業務プロセスモデリングツール「SAP Signavio Process Manager」（画面1）を導入し、業務プロセスの整理・可視化を図った。標準化で約30％のコスト削減効果が見込まれたため、2023年初旬に本運用を開始した（図1、関連記事：AJS、販売管理の業務プロセスを標準/共通化してコスト3割削減へ、業務分析にSAP Signavioを利用）。
画面1：業務プロセスモデリングツール「SAP Signavio Process Manager」の画面例（出典：SAPジャパン）拡大画像表示
図1：業務プロセスのモデリングによって業務プロセスを標準化/共通化したAJSの販売管理システムの概要（出典：AJS）拡大画像表示
その後、プロセスマイニングツール「SAP Signavio Process Intelligence」（画面2）を用いて業務状況を分析し、部署ごとの業務サイクルの違いなどを定量的な数値で分析した。判明した問題点から業務体制を見直したところ、担当者によって最大20％サイクルタイムが改善し、残業時間が30％減少。業務プロセス/フローの標準化により、当初の試算どおり業務関連コストの約30%削減を実現した。
AJSは、販売管理業務の8割を共通システム化した標準化の取り組みを、業務改善のためのシステム開発の第1期と位置づける。2023年半ばより新たなフェーズの検討を始めており、さらなる標準化・効率化の推進に取り組んでいる。
画面2：プロセスマイニングツール「SAP Signavio Process Intelligence」の画面例（出典：SAPジャパン）拡大画像表示
