医療用漢方製剤メーカーのツムラ（本社：東京都港区）は、クラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を導入し、運用を開始した。“漢方バリューチェーンのDX”に向けて、グループ全体で業務の標準化/自動化を進めることで業務効率化を図ることを目指す。導入にあたっては、JSOLの協力の下、S/4HANA Cloudを中核とするシステム構築パッケージ「RISE with SAP」を採用した。SAPジャパンが2024年6月24日に発表した。
医療用漢方製剤の製造・販売を中心に事業を展開しているツムラ。2022年に定めた長期経営ビジョンでは、漢方市場の拡大と中国事業向け投資による成長戦略に向けて、“漢方バリューチェーンのDX化”を掲げている。その実現のためには、業務の標準化と改革によって経営効率を高める必要があり、基幹業務システムの刷新を決定した（図1）。
図1：漢方バリューチェーンのDX化やデータドリブン経営を支える基幹システム（出典：ツムラ）拡大画像表示
新基幹システムとして、SAPジャパンのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を導入した。グループ全体で業務の標準化/自動化を進めることで業務効率化を図ることを目指す。導入プロジェクトをJSOLが支援し、S/4HANA Cloudを中核とするシステム構築パッケージ「RISE with SAP」を採用した（図2）。
図2：RISE with SAPの全体図（出典：独SAP）拡大画像表示
漢方製剤の生産においては、ほかの製造業にはないユニークなプロセスが多く存在するが、ツムラは、S/4HANA Cloudの導入効果を高めるため、業務をシステムの標準機能に合わせる「Fit to Standard」の手法を採用している。
合わせて、データドリブンな経営に向けて、「SAP Business Technology Platform（BTP）」や「SAP Analytics Cloud」などでデータ分析基盤を構築している。
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