野村総合研究所(NRI)は2024年7月1日、情報収集・管理サービス「NRI ESGデータ提供サービス」を日本経済新聞社と共同で提供を開始した。ESG(環境・社会・企業統治)データの収集と管理を効率化するとしている。
野村総合研究所(NRI)の「NRI ESGデータ提供サービス」は、ESG(環境・社会・企業統治)データの収集と管理を効率化するサービスである。各企業の財務/非財務情報をワンストップで収集できる。金融機関、事業会社、監査法人、コンサルティングファームなどに向けて提供する(図1)。
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「多くの企業がサステナビリティレポートなどのESG関連レポートやコーポレートページなどで自社のESGの取り組み状況を開示している。しかし、開示基準や開示方法は各社各様なため、ESGデータを分析・活用する現場において、情報収集・管理の業務負荷が増大している」(NRI)ことを受けて、サービスの提供に至ったという。
NRIのESGに関する知見・ノウハウを基にAIを活用して構築したESG関連レポートの参照・分析機能と、業界情報やESG関連データ、人事・財務情報を提供する「日経バリューサーチ」の連携によってサービスを提供する。
各企業が開示する統合報告書やサステナビリティレポートなどの非定型のESG関連レポートを、NRIが約180の観点で整理した形式で提供する。企業間・時系列での比較分析、カスタマイズが可能な検索テンプレート、注目するトピックに関連するキーワードによる検索、定量指標を用いた柔軟な分析機能によって、ESGレポートの分析を容易にするという(画面1)。
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ESGの基礎情報や企業ニュース、不祥事情報の参照機能も備えている。統合報告書やサステナビリティレポート、ホームページなどの開示資料、環境・社会・ガバナンスに関する数値・テキストデータを収録したコンテンツ(日経ESGデータ)、国内2万社に及ぶ日本経済新聞社の企業ニュース、企業不祥事に関する情報(日経企業リスクウオッチ)を参照できる。
日経バリューサーチとの連携により、市場動向や業界トレンド、財務・人事データなど、ESG関連以外にも企業・業界の分析や調査に必要な情報を提供する。レポート作成機能を使えば、短時間で詳細な企業・業界レポートをワンクリックで出力することも可能である。投資や事業戦略立案にあたって、正確かつスピーディーな意思決定を支援するとしている。