JSOL(本社:東京都千代田区)は、シンクライアントのリモート業務環境におけるWeb会議/ウェビナー視聴の操作レスポンスを仮想GPU(vGPU)で向上させた。ノートPCと同等の体感性能を得て、リモート業務の課題を解決している。2024年3月から運用を開始し、同年6月には全社展開(約3000人規模)している。シンクライアント環境を構築したNECが同年7月16日に発表した。
JSOLは、社内でシンクライアントのリモート業務環境を運用する中で課題を抱えていた。従業員がWeb会議やウェビナー視聴を行う際、シンクライアント基盤の処理性能が追いつかず、レスポンスや映像品質に問題があった。
対策として、参加者の多いWeb会議ではカメラをオフにし、ウェビナーを時間帯を区切って分散視聴するなどの工夫を凝らしながら、セキュリティと運用性にすぐれるシンクライアント環境の運用を続け、通常のノートPCと遜色のない処理性能を実現する方法を模索していたという。
そこで、NECの支援の下、シンクライアント基盤に仮想GPU(vGPU)を導入し、大元の処理性能の向上を試みた。「NVIDIA A16 GPU」を、NVIDIA vGPUソフトウェアによってvGPUで利用できるようにしている。デコード処理をGPUが担うことでCPU負荷を抑えて処理性能を高めている(画面1)。
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vGPUを導入したシンクライアントシステムは2024年3月から運用を開始、同年6月には全社展開(約3000人規模)を完了している。これにより、カメラをオンにしたWeb会議や全社員参加のウェビナーでも快適に視聴できるようになったという。
また、シンクライアント上での動作検証や最適化対応を待たずに、新しいアプリケーションやサービスを導入可能になった。JSOLは今後、これまで実施できなかった業務など、利用用途の拡大も視野に入れて取り組むとしている。