[市場動向]
全世界で発生のブルースクリーンエラー、850万台のWindowsマシンに影響─米マイクロソフトが状況を説明
2024年7月21日(日)河原 潤(IT Leaders編集部)
米マイクロソフトは2024年7月20日(米国現地時間)、米クラウドストライク(CrowdStrike)のセキュリティソフトウェアのアップデートが原因で、世界中で発生したWindowsのブルースクリーンエラー(BSOD)の問題について状況を説明した。同社の公式ブログによると、この問題の影響を受けたWindowsデバイスは全世界で推定850万台に上るという。
世界中のWindows PC/サーバーが突如ブルースクリーンエラー(BSOD:Blue Screen of Death、画面1)に見舞われた。原因は、セキュリティ製品ベンダーの米クラウドストライク(CrowdStrike)が2024年7月18日(米国現地時間)にインターネット経由でユーザーに提供した同社製セキュリティソフトウェア「CrowdStrike Falcon」のアップデートファイルである(クラウドストライクの声明)。

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米マイクロソフトは7月20日、同社の公式ブログで、「当社はこの問題が企業・個人の日常生活に混乱をもたらしたことを認識している。我々の焦点は、サービス停止に陥ったシステムを安全にオンラインに戻すための技術的なガイダンスとサポートを顧客に提供すること」として、問題発生以降に講じた解決策として以下を挙げている。
- クラウドストライクと協力し、解決策の開発プロセスを自動化した。クラウドストライクはBSOD問題に対する回避策と公式声明を公表している。マイクロソフトは、Windowsのエンドポイントの状況改善のための指示をWindows Message Centerに掲載している。
- 数百人の製品エンジニア・専門家を配置し、顧客と直接協力してサービスの復旧に取り組んでいる。
- Google CloudやAmazon Web Services(AWS)など他のクラウド事業者や関係者と協力し、業界全体で見られる影響の状況について認識を共有し、クラウドストライクや顧客との継続的な対話に情報を提供している。
- 手動での修復手順とスクリプトを記したサポートページ(KB5042421: CrowdStrike issue impacting Windows endpoints causing an 0x50 or 0x7E error message on a blue screen)を迅速に公表した。
- Microsoft Azureのステータスダッシュボードを通じて、顧客に最新状況を継続的に通知している。
マイクロソフトは「ソフトウェアアップデートが時折混乱を引き起こすことがあるが、今回の事象のような重大なインシデントは稀である」として、現時点の推定では、850万台のWindowsマシンに影響が及んだと述べている。
850万台は、全Windowsマシンの1%未満に相当するという。「割合は小さいものの、多くの重要なサービスを運営する企業がクラウドストライクの製品を使用していることから、広範な経済的・社会的影響が生じた」(マイクロソフト)
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