資生堂(本社:東京都中央区)とNTTは2024年9月18日、化粧品の触り心地を遠隔・非接触で体験できる技術の開発に取り組むことを発表した。資生堂が感性科学研究の知見を、NTTが「非接触情報提示技術」や質感の錯覚に関する知見を持ち寄り、共同研究によって進める。将来的に、化粧品のECサイトでの販売など、実際の商品に直接触れることが難しい状況でも、触り心地を体験できるようにすることを目指す。
資生堂は、化粧品の触り心地を遠隔・非接触で体験できる技術の開発を、NTTとの共同研究として取り組む。将来的に、化粧品のECサイトでの販売など、実際の商品に直接触れることが難しい状況でも、触り心地を体験できるようにすることを目指す(図1)。
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「今日、多くの消費者がECサイトで化粧品を購入するようになったが、その場合、店頭のように化粧品の触り心地を確認することができない。共同研究では、遠隔・非接触でも触り心地を体験し、時間や場所、言語などの制約を超えて、世界中の消費者一人ひとりの多様なニーズに応える新たな体験機会を創出する」(両社)
共同研究では、消費者が化粧品基剤に触れたときの触り心地を、視覚や聴覚など複数の感覚の視点で調査。そのうえで、触り心地を各種の感覚で再現する「感覚インタフェース」を開発する(図2)。
資生堂は以前より、人の感覚や心理などを客観的・科学的なアプローチで解き明かす感性科学の研究に取り組んでいる。共同研究にあたっては、肌触りや化粧品の感触に関する知覚メカニズム、および心地よい感触を生み出す製剤化の知見を提供する。
NTTは、人間が感じ取る感覚・知覚の内容を伝達・共有する技術を研究する過程で、素材の柔らかさを非接触で伝える「非接触情報提示技術」を提案している。共同研究では同技術や質感の錯覚に関する知見を提供する。