[調査・レポート]

クラウド移行、ローカルブレイクアウトの導入増などで国内SD-WAN市場の成長続く─IDC

今後はWANの見直しが市場を牽引

2024年10月1日(火)IT Leaders編集部

IDC Japanは2024年9月30日、国内SD-WAN製品・サービス市場の予測を発表した。2023年は前年から20.6%成長し、市場規模(支出額ベース)は147億9000万円に達した。2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR)は11.2%で、2028年の市場規模は2023年から1.7倍の251億1500万円と予測している。

 IDC Japanは、国内SD-WAN製品・サービス市場の予測を発表した。調査対象はSD-WAN関連のハードウェアおよびソフトウェア、マネージドサービス、プロフェッショナルサービスである。

 2023年は前年から20.6%成長し、市場規模(支出額ベース)は147億9000万円に達した。2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR)は11.2%で、2028年の市場規模は2023年比で約1.7倍の251億1500万円と予測している(図1)。

図1:国内SD-WAN市場における支出額の予測、2023年~2028年(出典:IDC Japan)
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 2023年の同市場は、WANトラフィックの増加に対処するための解決策として、SD-WANを用いたローカルブレイクアウトを導入する動きが続いているという。加えて、「特に大企業において、ITシステムのクラウド移行の促進、セキュリティ態勢の強化、運用の効率化などを目的にSD-WANの活用が進展している」(同社)。

 「これらの企業は、SD-WANのポテンシャルを引き出すことでITインフラを高度化し、デジタル戦略の実行や競争優位性の確立を推し進めている。さらに、ハイブリッドワークの定着を目指す企業では、SD-WANとクラウドセキュリティを組み合わせたSASE(Secure Access Service Edge)サービス群に基いたWANの見直しも進展している」(同社)

 2024年以降について同社は、ITシステムのクラウド移行やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴うトラフィックの増加、デバイス/サーバー/クラウドの接続の非効率性、運用負担の増加といったネットワークを取り巻く新たな問題に対処するためのWANの見直しが市場の成長を牽引すると予測している。

 また、SMB(中堅・中小企業)では、社内に十分なIT人材リソースを持たない場合が多いことから、セキュリティ対策の強化への負担が高まっているという。このため、ネットワークの設定変更だけでなく、セキュリティの運用もカバーするマネージドサービスを選択する傾向が強まると見ている。

 「局所的な解決策としてのローカルブレイクアウトが大企業からSMBまで幅広い企業にとってのSD-WAN採用の契機となる一方で、先進的な企業はSD-WANを用いたデジタルファースト時代のネットワークの構築へと着実に歩みを進めている」(同社 Infrastructure & Devices シニアリサーチアナリストの水上貴博氏)

 今回の発表は同社のレポート「国内SD-WAN市場予測、2024年~2028年」で詳細を報告している。同レポートは、同市場の概況・動向分析、インフラサービス、マネージドサービス、プロフェッショナルサービスの市場規模予測、ITベンダー/サービス事業者への提言を掲載している。

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