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パラマウントベッド、国内全拠点の基幹システムをDynamics 365で刷新、海外9拠点にも順次導入

ERP/CRM/BIを統合し、データ活用の促進と経営判断の迅速化を図る

2024年10月3日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

医療・介護用ベッド製造・販売のパラマウントベッドホールディングス(本社:東京都江東区)は、グループの国内全拠点の事業を支える基幹業務システムを刷新した。日本マイクロソフトの「Microsoft Dynamics 365」の導入に加えて、ERP、CRM、BIの各システムをマイクロソフト製品で統一、データ活用の促進と経営判断の迅速化に役立てている。今後、アジアや北中米など海外8カ国9拠点に順次拡張する予定。システムの導入・構築を支援した日立ソリューションズが2024年10月2日に発表した。

 パラマウントベッドグループは、1982年に医療用ベッドメーカーとして創業し、高齢者施設や在宅介護分野などに事業領域を広げてきた。海外展開は110カ国以上と事業をグローバルに展開している。こうした中、1990年代に導入した旧来のERPシステムが、同社の事業の変化に追随できていないという課題を抱えていた。

 「旧システムでは、情報を俯瞰的に把握するのに各システムからデータを吸い上げて手作業で統合しなければならなかった。特に海外拠点からのデータ収集に時間がかかっていた」(パラマウントベッドホールディングス)。また、部門ごとに個別最適で構築されたオンプレミスシステムが50以上もあり、その管理保守にも多大な時間を要していたという。

図1:「Microsoft Dynamics 365」で刷新した基幹システムの構成(出典:日立ソリューションズ)
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 パラマウントベッドは、これらのシステムをグループ全体で統一するため、2018年に基幹業務システムの刷新に着手。日立ソリューションズの支援を得て、すべての旧システムを日本マイクロソフトのERP/CRMアプリケーションスイート「Microsoft Dynamics 365」のクラウドサービスに移行・刷新するプロジェクトに取り組んだ。

 加えて、ERP、CRM、BIの各システムをマイクロソフト製品で統一している。新基幹システムは2023年秋から2024年1月にかけて国内3拠点で本稼働を開始した後、2024年4月より国内の全拠点で運用している(図1)。

 導入にあたっては、業務をパッケージの標準機能に合わせる“Fit to Standard”の考え方を重視し、アドオン開発は投資対効果が見込める範囲に限定した。また、グローバル展開を前提に、多言語多通貨に対応したほか、各拠点のデータを複数方法で分析可能なダッシュボードを実装している。

 導入効果として、拠点ごとに個別最適化していた50以上のオンプレミスシステムの統合がなされ、業務の標準化を実現した。グループ横断でデータを分析できるダッシュボードにより、データ活用が促進され、経営判断の迅速化につながったという。ITインフラ面では、Microsoft Azureのサーバーレスアーキテクチャにより、運用管理・保守に関わるコストを抑えることができたという。

 パラマウントベッドは今後、アジア・北中米圏を中心とした国外8カ国9拠点へと新基幹システムの導入範囲を拡大する。さらに、グループ子会社の介護ベッド・福祉用品のレンタル/リカーリング事業の費用請求事務などにもシステムの適用範囲を広げる計画である。

 「Power Appsを活用したアプリケーションの内製開発やコールセンター業務でのAI活用など、基幹系以外の業務へのシステム拡張も検討している」(同社)

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