日本航空(JAL)は、従業員の立替経費精算システムと調達・購買システムにデジタルアダプションツール「テックタッチ」を導入した。エンドユーザーが慣れていないシステム操作をリアルタイムにサポートすることで、エラーの発生率が大幅に下がり、使い勝手を改善されたという。テックタッチが2024年11月28日に発表した。
日本航空(JAL)は、業務の標準化やガバナンス強化などを目的に、全社で立替経費精算システムと調達・購買システムを運用している。しかし、アプリケーションパッケージとして導入したこれらのシステムでは、運用開始から年月を経ても、各種入力項目や画面遷移の煩雑さに起因するミスや入力の不備が減らず、操作の習熟が思うように進まないという課題を抱えていた。
システム操作のトレーニングやマニュアルを用意していたものの、業務に触れる機会やスキル・キャリアなどが異なるため、一部で手厚いサポートが必要になっていた。従業員の側からも、マニュアルを参照する面倒くささや操作の分かりにくさといった不満の声が挙がっていたという。
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そこで、使い勝手を改善すべく、アプリケーションの操作支援と定着を図るデジタルアダプションツールの「テックタッチ」を導入した。Webブラウザにプラグインをインストールすると、アプリケーション/SaaSの画面に操作ガイドをリアルタイムに表示する(画面1)。また、IT部門/管理者向けに、エンドユーザーのアプリケーション利用動向を可視化し、活用されていない機能や非効率な操作を発見する分析機能が備わっている(関連記事:操作ガイドツール「テックタッチ」新機能、クリック/セレクト操作やデータ入力を自動化)。
JALはツールの選定にあたって、システム改修の必要なくノーコードで画面のUIを改善できる点や操作ガイド作成の容易さなどを評価した。同ツールにより、必要な操作知識や注意事項が操作画面上に表示され、間違いが特に起こりやすいところにはガイドを付し、操作内容の理解を促して間違いに気づけるようになった。「エンドユーザーが慣れていないシステム操作をリアルタイムにサポートすることで、エラーの発生率が大幅に下がった」(JAL)としている。
デジタルアダプションツールは、システムをサポートする担当者側にもよい変化をもたらした。導入前は不具合の修正や質問業務に対応するのに精一杯という、パッシブな業務スタイルが中心だったが、テックタッチの有効活用を考えて、従業員体験(EX)を改善するというアクティブ思考中心のスタイルに移行できたという。