[市場動向]

「経費精算のない世界」を実現し、AIとビッグデータで“その先”へ─コンカーが目指す将来

公共ビジネスの拡大やインボイス制度をめぐる政策提言にも注力

2025年10月28日(火)愛甲 峻(IT Leaders編集部)

「経費精算という業務が将来的になくなる」──コンカーはこの見立てに基づいて、業務の自動化や効率化に加えて、経費精算システムの運用自律化やデータ分析を通じた洞察の提供に注力している。2025年8月28日に開いた説明会の内容を基に、同社が取り組む間接費管理の課題解決に向けたAI/ビッグデータ活用の新たなビジョンや今後の事業戦略について見ていく。

公共ビジネスの拡大へ、人口20万人以上の自治体に照準

 橋本氏は今後の事業拡大に向けた戦略を、「カスタマーサクセス」「公共向けビジネス」「政策提言活動」の3点から説明している。

 カスタマーサクセスについては、サービスの導入だけでなく、導入後の業務改革を継続的に支援する体制に力を入れており、今後もそれを強化していく構えだ。「現状分析に基づき、短期・中期・長期それぞれの段階で顧客の成長に伴走することで、行動変容や企業風土改革を促す」と橋本氏。一例として、同社独自の成熟度マップに基づく課題解決の取り組みを紹介した(図3)。

図3:独自の成熟度マップに基づく顧客支援(出典:コンカー)
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 公共向けビジネスの拡大に向けては、2024年9月にデータセンターを日本に開設し、同年11月には政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)への認定を取得。2025年4月にはNTTネクシア/NTT東日本と、自治体や国公立大学の業務効率化支援で連携することを発表している。当面は人口20万人以上の自治体を主たるターゲットと考えており、その10数%との契約を2028年までの目標としているという(関連記事出張・経費管理クラウドのコンカー、公共機関に向けて国内データセンターを2024年下半期に開設)。

 公共の領域では、将来的な職員数の減少に伴うサービス低下が“2040年問題“として懸念される中、デジタル化の遅れも相まって、業務効率化や非生産的な業務の廃止が喫緊の課題となっている。また、2025年4月には改正旅費法が施行され、旅費の運用を見直す自治体が相次いでいる。橋本氏は、「業務のデジタル化が50%以上の業務効率化につながることを実証実験で確認している。民間向けサービスで培ったノウハウで、日本の公共団体の競争力強化に寄与したい」と意欲を見せた。

 政策提言活動に関しては、経費精算業務をめぐる制度と実務の橋渡しを目的に、2025年6月に任意団体「経費MIRAI協議会」を設立し、行政・政治への訴求や世論喚起のための活動を行っている。コンカーは幹事企業で、ビズリーチ、マネーフォワード、ラクスが参画する。同年8月にはインボイス制度に関する税制改正要望を発表している(図4)。

図4:経費MIRAI協議会の概要(出典:コンカー)
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「SAP Joule」の組み込みやAIエージェントの実装が進む

 コンカーは、AIへの戦略的な注力を踏まえ、すでに提供している、または2025年末より新たに提供を予定するAI機能を、出張手配、事前申請、経費精算、管理業務という4つのプロセスごとに紹介した。全体として、SAPの生成AIアシスタント「SAP Joule(ジュール)」の組み込みや、複数のステップからなるワークフローを自動化するAIエージェント機能の実装が進んでいる。

●Next:AIとの対話を通じて出張計画や申請業務を自動実行

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