[事例ニュース]
セブン銀行、自然言語でデータ分析できるAIエージェントを全社展開、企画業務の分析/レポート作成を効率化
2025年11月11日(火)愛甲 峻(IT Leaders編集部)
セブン銀行(本社:東京都千代田区)は社内向けの生成AI活用環境において、A自然言語で社内のデータを分析できるAIエージェントを構築した。企画業務における意思決定や施策立案の迅速化を見込む。エクサウィザーズの生成AIアプリ開発ツール「exaBase Studio」の内製開発支援機能である「AIエージェントテンプレート」を活用している。エクサウィザーズが2025年11月6日に発表した。
セブン銀行は、AI・データ活用を通じた業務変革に取り組んでいる。中期経営計画で目指す、ビジネスモデルやプロセスの変革の一環として、AIやデータの全社的な活用を推進している(関連記事:「銀行ではなくITベンチャーだ」成果を優先し独自の金融サービスを創出─セブン銀行のデータ分析戦略/「初めはトライ&エラー、徐々に成果が加速」─セブン銀行が実行中のAI/データ活用ロードマップ)。
AI活用においては、生成AI活用環境「7Bank-Brain」を開発して全社員に展開。これまで、文書の作成や検索、社長のふるまいを模したチャットボット「社長AI」など、さまざまな機能を追加している(図1)。
図1:セブン銀行の社内向け生成AI活用環境「7Bank-Brain」(出典:セブン銀行【公式note】)拡大画像表示
同行では企画業務を中心に、自然言語による社内データ分析のニーズが浮上していた。それを受けて機能開発に取り組んでいたが、速度や精度が課題となっていたという。
そこで、エクサウィザーズの生成AIアプリ開発ツール「exaBase Studio」を導入し、AIエージェントの内製開発を簡素化する「AIエージェントテンプレート」をデータ分析業務に適用した。同機能は、AIと対話しながらエージェントを構築するためのテンプレート群をパッケージとして提供している。ユーザー企業が独自のテンプレートを作成・共有し、さまざまな社内業務に適用することもできる(図2、関連記事:エクサウィザーズ、生成AIアプリ開発ツール「exaBase Studio」にAIエージェントテンプレートを追加)。
図2:AIエージェントテンプレートのパッケージと、AIエージェントの構成例(出典:エクサウィザーズ)拡大画像表示
導入は2段階で進めた。第1フェーズはPoC(概念検証)として、実データに近いサンプルデータを用いた分析タスクを実行したところ、高い回答精度を確認した。第2フェーズでは7Bank-Brainをフロントエンドに、exaBase StudioのAIエージェントおよびセブン銀行環境下のデータベースと接続。2025年8月に実装を完了し、9月より全社的な導入を開始している。
「特別なスキルを必要とせず、自然言語でタイムリーなデータ分析が可能となった。意思決定や施策立案の迅速化に貢献している」(セブン銀行 AI・データ戦略部 部長の中村義幸氏)
同行は今後もテンプレートを自社で拡充し、資料作成やリスク管理業務といった業務領域にもAIエージェントの適用を広げていくという。

































