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アドバンスト・メディア、コンタクトセンター向けAI音声認識「AmiVoice」に「AI多段階推論」機能を追加
2025年11月14日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アドバンスト・メディアは2025年11月12日、コンタクトセンター向け音声認識ソフトウェア「AmiVoice Communication Suite」に、通話内容や目的、用途に合わせて複数の生成AIを使い分けて処理を段階的に分担する「AI多段階推論」機能を追加したと発表した。1段階目の生成AIが通話内容を「住所変更」や「カード紛失」などのカテゴリに分類し、2段階目の生成AIがそれぞれのカテゴリに最適化したプロンプトを用いて要約するといったことができる。
アドバンスト・メディアの「AmiVoice Communication Suite」は、音声認識エンジンを備えたコンタクトセンター向けソフトウェアである。通話内容の全文テキスト化、感情解析、話題抽出、管理者による複数通話同時モニタリング、オペレーター業務支援などの機能を備える。通話内容を可視化し、応対品質の向上を支援する(関連記事:コンタクトセンターのカスハラ対策に特化した「AmiVoice」のAI音声認識パッケージ─アドバンスト・メディア)。
オプションで生成AIソフトウェア「AOI LLM for AmiVoice Communication Suite」を用意している。ローカル環境で大規模言語モデル(LLM)を動作させて、通話内容の要約、Q&Aの抜粋、VoC(顧客の声)の抽出などが行える(関連記事:アドバンスト・メディア、コンタクトセンター業務に特化した生成AIソフトウェア「AOI LLM」を発表)。
今回、通話内容や目的、用途に合わせて複数の生成AIを使い分けて処理を段階的に分担する「AI多段階推論」機能を追加した(図1)。例えば、1段階目の生成AIが通話内容を「住所変更」や「カード紛失」などのカテゴリに分類し、2段階目の生成AIがそれぞれのカテゴリに最適化したプロンプトを用いて要約するといったことができる。
「コンタクトセンターの通話では、『配送日を変更したい』『スタッフの対応が悪かった』など問い合わせの内容や目的が多岐にわたる。要約や情報抽出などのポイントがそれぞれの問い合わせごとに異なるため、単一の生成AIによる処理では十分な対応が難しく、精度や業務効率上の課題がある」(アドバンスト・メディア)。こうした課題を解決するために新機能を提供する。
AI多段階推論では、ローカル環境の生成AIソフトウェア「AOI LLM」で氏名・住所・電話番号などの個人情報をマスキングした後、マスキング済みのテキストデータをクラウド型の生成AIサービス(ChatGPTなど)に渡して要約・分類・分析することも可能である(図1)。
図1:「AI多段階推論」の活用例(出典:アドバンスト・メディア)拡大画像表示
異なる生成AIを組み合わせることで、特定のモデルに依存したハルシネーションを抑制する効果も生まれる。例えば、1段階目の生成AIが出力した要約結果を、2段階目の生成AIに通話データと共に再提示することで、内容の整合性や妥当性を検証・補完できる。

































