日立ソリューションズは2025年12月4日、RAGシステム「建設業向けAIエージェント活用ソリューション」を提供開始した。建設業に特化したRAGシステムを構築し、担当者が建設現場で作業手順や標準仕様書を検索すると、社内文書をナレッジに利用した回答が得られる。同社が構築を支援した北野建設のシステムをベースにパッケージ化した。料金は要問い合わせで、サブスクリプション型で提供する。
日立ソリューションズの「建設業向けAIエージェント活用ソリューション」は、建設業に特化したRAG(検索拡張生成)システムである。
担当者が作業手順や標準仕様書を検索すると、社内文書をナレッジに利用した回答が得られ、回答の根拠となる関連ファイルも表示する。同社が構築を支援した北野建設(本社:長野県長野市)のシステムをベースにパッケージ化した(図1)。
図1:「建設業向けAIエージェント活用ソリューション」の概要(出典:日立ソリューションズ)拡大画像表示
ナレッジとなる社内文書は、ドラッグ&ドロップ操作でアップロードして登録する。Word、Excel、PowerPoint、PDF、HTMLの各ファイル形式に対応する。これらからテキスト、図・画像、表を構造化してベクトルスコアのRAGデータベースにする。
建設業に特化した要素として、国土交通省の公開資料などをRAGデータベースに登録済み。また、建設現場の技術者が作業手順や標準仕様書を検索したり、新旧の標準仕様書で差異を比較したりする機能が備わる。今後、報告書やチェックリストなどの文書を自動生成する機能を追加する予定である。
RAGシステムをMicrosoft Azure上に構築する。データ暗号化とアクセス制御により、機密情報や業務データへの不正アクセスのリスクを抑えている。すべてのデータをAzure上で処理し、外部への不必要なデータ送信を防ぐため、情報漏洩のリスクが少ないとしている。

































