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[事例ニュース]

申請書300種以上を電子化、紙書類は8割減─トヨタ車体における申請・承認ワークフローシステムの活用効果

現場主導の業務改善から全社標準のワークフロー基盤として定着

2025年12月15日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

トヨタ車体(本社:愛知県刈谷市)は、2017年に導入した、住友電工情報システムの申請・承認ワークフローシステム「楽々WorkflowII」の運用で得られた8年間の効果を明らかにした。現在、申請書300種類以上を電子化し、導入前と比べて紙書類を約80%削減。議案書の電子化では、年間で約1500時間の工数を削減したという。住友電工情報システムが2025年12月10日に発表した。

 トヨタ車体は、愛知県刈谷市に本社を置いて、トヨタ自動車のミニバン・商用車・SUVの企画・開発・生産を担う完成車メーカーである。近年はAIなど先進テクノロジーを導入・活用して業務変革に取り組んでいる(関連記事トヨタ車体、熟練技能者の技能伝承と品質管理にAIを活用する研究を開始)。

 同社は2017年、住友電工情報システムの申請・承認ワークフローシステム「楽々WorkflowII」(画面1)を、老朽化した旧システムに代えて導入した。約1万8000人の従業員が利用している。

画面1:ワークフローシステム「楽々WorkflowII」の画面例(出典:住友電工情報システム)
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 当時、ワークフロー製品の選定にあたっては、現場部門みずからフォームや承認経路を作成・修正する市民開発を目指し、専門的な知識がなくても使えることを重視したという。導入直後から勉強会を年間4回実施し、社内教育とサポート体制を整備。多くの申請書を従業員みずからがノーコードで移行した。楽々WorkflowIIの標準機能だけでは対応できない一部の要件はプラグイン機能で補っている。

 電子化の事例の1つに、設備工事などを請け負う取引先がトヨタ車体の施設内に立ち入る際に作成する「工事届」を挙げている。最大で50ページ程度が必要な付随書類も電子化し、入場者情報を一度入力すれば申請が完結する。申請完了後に発行されるQRコードを提示して入場できるようになった。

 一方で、長らく電子化を見送っていた業務が「議案書」だという。「関係者の数が多く、承認経路が複雑化しやすいうえ、承認実績の記録や改竄防止といった内部統制も求められるため、電子化が難しかった」(同社)。そこで、独自に開発した「議案書システム」で承認経路を設定したうえで、議案内容と経路情報を楽々WorkflowIIと連携させ、承認操作や改竄防止などの内部統制を楽々WorkflowIIに委ねるハイブリッド構成をとったという。

 こうした取り組みの中でも、複数の部門をまたいだ承認が必要となる投資議案においては、紙によるやり取りや確認作業の手間が大幅に減った。一連の業務負担の軽減によって、年間で約1500時間分の工数を削減を図ったという。

 このほかの申請書でも電子化によって業務の効率が向上した。例えば、出張申請では、従来3日かかっていた処理が1日で完了するようになった。

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