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山崎製パン、ローコード開発による内製化を推進、老朽システムのリプレース費用を85%削減

2025年12月23日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

山崎製パン(本社:東京都千代田区)は、2022年にローコード開発によるシステムの内製開発に着手し、以降、開発実績を積み上げている。住友電工情報システムのローコード開発ツール「楽々Framework3」を活用している。一例が老朽化したシステムのリプレースで、外注費換算で約2000万円想定の開発コストを約300万円に抑制し、約1700万円、85%の削減効果を得ている。住友電工情報システムが2025年12月17日に発表した。

 山崎製パンは、製造工場を北海道から九州まで全国各地に有し、国内に10万以上の販売店舗を展開する国内最大手のパン・食品メーカーである。同社は、2022年5月にシステムの内製開発強化プロジェクトに着手し、ローコード開発ツールを導入して開発体制を整えた。

 同社が選んだローコード開発ツールは、住友電工情報システムの「楽々Framework3」である。JavaベースのWebアプリケーションフレームワークであり、部品(画面部品、データ項目、ロジックなど)をGUI操作で組み合わせるだけのノンプログラミングでWebアプリケーションを開発できることをうたう(関連記事ローコード開発「楽々Framework3 Ver.3.1」、ER図の編集に連動してテーブル定義情報を更新)。

図1:老朽化したシステムをローコード開発ツールによる内製開発でリプレースした(出典:住友電工情報システム)
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 同ツールを手にして内製開発の実績を積み上げている。一例が、約10年間運用し、サーバーの保守終了を迎えていたJavaベースの業務システムのリプレースである。すでにサポートが終了している「Internet Explorer」でしかアクセスできないシステムで、現行のWebブラウザへの対応が急務だった。

 また、このシステムはカラム数が150を超えるテーブルが4つあり、リプレースにあたってデータベース定義の手間が膨大になることを予想された。「楽々Framework3には、データベースからテーブル定義情報を自動で生成する機能があり、これが役立った」(山崎製パン)という。

 リプレースには3人体制で臨み、他の業務と並行しながら約10カ月間で新システムに移行。外注費換算で約2000万円を想定していた開発コストは約300万円で済み、約1700万円、実に85%の削減効果を得ている。

 もう1つの例に、新規開発のアルバイトシフト申請システムを挙げている。こちらも3人体制で臨み、約6カ月で開発した。「アルバイトシフトの申請はスマートフォンから操作できるが、幅広い年齢層が使うことを考慮し、操作性向上に留意した」(同社)。楽々Framework3の機能を使って、カレンダーを画面内に組み込み、容易な操作性を実現している。

 申請をシステム化したことで紙の申請書や電話受付が不要になり、人事部門の業務負荷を減らし、1工場あたり月約93時間の削減効果を算出している(図2)。

 山崎製パンは今後、内製開発の成功事例を全国の拠点に展開し、取り組みをさらい拡大していくという。

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