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神奈川県宅建協会、不動産物件情報システムを導入

2008年11月7日(金)IT Leaders編集部

アドビシステムズは2008年11月7日、神奈川県宅地建物取引業協会が、会員が取り扱う不動産物件情報のデジタル化促進を目的に、11月中旬より会員向けに業務支援システムツール(システム名称:「KTツール」)の提供を開始したと発表した。

 神奈川県宅建協会の不動産物件情報システムは、アドビシステムズが提供するRIA実行環境「Adobe AIR」と、エンタープライズ向けソリューションである「Adobe LiveCycle ES」を採用し、PFUが自社データセンターを利用して構築したもの。ECM(Enterprise Content Management:統合コンテンツ管理)の採用により、協会会員である不動産会社の業務利便性と消費者へのデータ公開性を大きく高める。

 同システムの機能は「物件情報作成、契約書作成および物件資料の管理機能」「不動産情報検索サイト等への一括登録機能」「物件情報データベースによる情報管理機能」の3種類に大きく分類される。

 物件情報の作成・登録機能においては、ドキュメント形式のグローバルスタンダードとなっているアドビシステムズのPDFと、操作性に優れたRIA(リッチインターネットアプリケーション)技術を使用したデスクトップアプリケーションを提供し、情報入力や図面、写真などのイメージデータの利用がスムーズに行えるリッチなユーザ利用環境を実現している。

 さらに、データ形式には国際標準規格であるXML形式を採用。XMLはデータの再利用や他システムとの連携に優れているため、同協会ではこの技術基盤をベースに、他不動産物件情報サイトへの一括登録機能を実現していくという。さらに、今後は継続的にシステムを発展させ、協会独自の不動産物件情報サイトの運営を視野に入れ、会員(約7,200社)のビジネス活性化を支援する。

 同システムの特長は以下のとおり。

・無償のクライアント環境で、分かり易く簡単な操作、入力インターフェースを実現
同システムでは、クライアントの動作環境に、アドビシステムズ社が無償配布するRIA実行環境「Adobe AIR」を採用されており、操作性や表現力に優れたシステムを実現している。また、入力インターフェースには「PDFフォーム」を採用することにより、直感的な操作が可能。それと同時に、物件情報の作成画面では、実際の帳票に書き込むようにデータを入力できる。PDFフォームでは、テキストデータだけでなくイメージデータの組み込みも可能で、物件資料などへの外観写真、間取り図、地図などの組み込みも簡単に行える。さらに、 PDFへの権限付与ができる「Adobe LiveCycle Reader Extensions ES」の採用により、無償配布されているAdobe Reader(Version 9.0.0 以降)を利用して、PDFフォームの保存、入力が可能となる。個々の不動産会社では新たなソフトウェアを購入することなく、本システムを活用できる。

・帳票入力作業を大幅に効率化
アドビシステムズ社のAIRを採用することで、複数の帳票間の項目連携が可能。この「帳票間項目連携機能」により、これまで「物件資料」「契約書」「重要事項説明資料」「取引台帳」といった複数の帳票に記載していた同一項目の入力が一度で済み、これらの作成業務が大幅に効率化される。

・不動産検索サイトへの登録作業を効率化(2009年予定)
同システムでは、入力された物件情報はXMLデータとして管理される。この物件情報(XMLデータ)を、協会内に設置したサーバにて収集し、 REINS(※注)など、不動産検索サイトへの連携を実現する計画。従来は、「帳票の作成」と「不動産検索サイトへのデータ登録」と、二度手間になっていた作業が、1回のデータ作成、登録で可能となり、作業効率の改善に繋がる。

※注:REINS(レインズ)はReal Estate Information Network Systemの略で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムの名称。不動産会社に住まいの売買を依頼する場合は、必ず媒介契約を結ぶこととなるが、専属専任媒介契約、専任媒介契約については、宅地建物取引業法により、指定流通機構への登録が義務付けられている。

社団法人神奈川県宅地建物取引業協会
http://www.kanagawa-takken.or.jp/

アドビシステムズ
http://www.adobe.com/jp

PFU
http://www.pfu.fujitsu.com/

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