ノベルは2009年2月6日、「PlateSpin Workload Management」製品群(以下「PlateSpin」)を発表した。「PlateSpin」は、米ノベルが2008年、カナダPlateSpin社から買収したデータセンター運用/仮想化管理製品群で、物理環境から仮想化環境へ移行とその最適化を支援するもの。
「PlateSpin Workload Management」は物理ホストや仮想ホストにあるデータやアプリケーション、OSを一体化し、物理環境と仮想環境の間のワークロードの移動を、プラットフォームに関わりなく、ネットワークを介して可能にする。また、異機種混合データセンター環境において、仮想化の移行フェーズ(現状把握、プランニング、移行)、運用フェーズ(運用管理、自動化)をサポートし、サーバ統合やデータセンターの移動、障害復旧などの業務の時間短縮と質の向上を包括的に支援する。
同製品は32/64ビットのWindowsおよびLinuxサーバをサポートし、さらにCitrix XenServer、Microsoft Hyper-V/Virtual Server、VMware ESX/ESXi、SUSE Linux Enterprise Serverに組み込まれたXenなど、主要な仮想化ハイパーバイザをすべてカバーする。
同社の新ブランドである「PlateSpin Workload Management」製品群には、旧PlateSpinからさらに拡張された新機能が搭載された。各製品の概要は以下のとおり。
- PlateSpin Recon【プレートスピン・リーコン、旧PlateSpin PowerRecon】(ワークロードのプロファイリング、分析、およびプランニング)
現在のサーバ・ワークロードを解析することにより、適切な仮想環境構成をレポート。データセンター管理者に対し、物理/仮想環境にわたってワークロードを効率的に管理・最適化するために必要なインテリジェンスを提供する。旧PlateSpin PowerReconと比べ、アセスメントの正確性、リソース利用データを他の監視ツールからインポートできる機能が向上したほか、ハイパーバイザとOSサポートが拡張された。 - PlateSpin Migrate【プレートスピン・マイグレート、旧PlateSpin PowerConvert】(マルチプラットフォームワークロードのポータビリティとマイグレーション)
独自のワークロード移行技術を活用し、物理マシンから仮想マシンへの移行を容易にする。サーバのワークロードをその下のハードウェアから分離して、物理サーバ、仮想ホスト、イメージ・アーカイブの間でどこからどこへでも、ネットワーク経由の移行を実現。これによりP2V/V2V/ V2P/P2Pなど、さまざまな環境を適切に移行できる。PlateSpinMigrateとして新たに、ハイパーバイザとプラットフォームのより広範なサポート、セキュリティや自動化の改善、大幅な拡張性などが追加された。 - PlateSpin Protect【プレートスピン・プロテクト、旧PlateSpin PowerConvert】(ワークロードの保護と回復)
単一の管理ポイントで、物理および仮想サーバのワークロード全体を保護し、迅速に回復する。柔軟性の高いイメージ・バックアップと、ハードウェアに依存しないリストアを行うためのすべてのワークロードをレプリケーションすることで、全体的なワークロード保護を行う。これにより、プロダクション・サーバの障害や災害などが生じた場合、ワークロードが迅速に立ち上がり、プロダクト環境が回復するまで、通常どおり稼働できる。PlateSpin Migrateと同様、PlateSpin Protectとして新たに、ハイパーバイザとプラットフォームのより広範なサポート、セキュリティや自動化の改善、大幅な拡張性などが追加された。 - PlateSpin Orchestrate【プレートスピン・オーケストレート、旧Novell ZENworks Orchestrator】(リソース管理)
構成サーバやストレージ・リソース管理サーバとやり取りして、物理コンピュータとのインタラクティブな管理を行う。さらに仮想リソースも管理し、各仮想マシンのライフサイクルすべてを制御できる。 - PlateSpine Forge【プレートスピン・フォージ】(ディザスタ・リカバリ向けアプライアンス)
サーバ・ワークロードを保護するためのハードウェア・アプライアンス。プロダクション・サーバの障害や災害が起こった際、保護されたワークロードを迅速に回復し、それらがプロダクション環境にリストアされるまでPlateSpin Forge上で稼働させ続けることができる。
同製品群の価格は以下のとおり(いずれも市場参考価格)。
- PlateSpin Recon:測定回数単位ライセンス、10サーバ30日間測定+年間サポート(初年度必須)
約12万円 - PleaseSpin Migrate:移行回数単位ライセンス、10回移行+年間サポート(同上)
約39万円 - PlateSpin Protect:サーバ台数単位ライセンス、5サーバ(無制限回移行)+年間サポート(同上)
約90万円
同製品群同社のパートナー企業を通じて提供され、同社は初年度の販売目標を200本としている。
ノベル
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