1990年代半ば、企業はこぞってCRMに乗り出した。ところが、数億円を投じて構築したシステムはほとんど使われずじまい。そんな失敗から、CRMの優先度を引き下げた企業は少なくない。こうしたなか、インフォファームが2000年から販売するSFA/CRMソフト「InfoFarm戦略箱」は、これまで100社が採用。定着率90%の実績を持つ。
インフォファームは2009年4月16日、このInfoFarm戦略箱の新版である「戦略箱ADVANCED」を出荷開始した。新版の最大の特徴は、コミュニケーション機能を強化したこと。ユーザーである営業担当者は、他のユーザーの日報や掲示板だけでなくスケジュールに対してもコメントできる。これにより例えば、部下の予定を見た上司が「○○社の△△さんを訪問するなら、手土産はこれがいい」などと事前にアドバイスできる。
このほか、必要な情報を必要な担当者のポータル画面に自動配信する機能やブックマーク機能を備えるなど、使い勝手を大幅に向上させた。バージョンアップ時に、カスタマイズを施した機能をそのまま引き継げる仕組みも実装している。ユーザーインタフェースには、Ajaxを採用した。
戦略箱ADVANCEDのライセンス費用は、50ユーザーで500万円。追加は1ライセンスごとに6万円である。導入時のコンサルティングは400万円から。2009年11月には、NECやNTTPCコミュニケーションズが提供するSaaSプラットフォーム上で、SaaSによるサービスを開始する。ERPパッケージやBIツールとの連携機能も順次追加していく計画だ。
なお定着率のゆえんは、導入サポートとカスタマイズ性の高さ。決まった役割ではなく、案件をフォローし合う日本企業の営業現場にフィットするよう、様々な機能を盛り込んだという。