日本IBMは2009年5月14日、ミッドレンジ・クラスのディスク装置「IBM System Storage DS5000シリーズ」(DS5000シリーズ)における機能拡張として、サーバーへの転送速度が最速となる8Gbpsのファイバーチャネル、および自己暗号化機能付きハードディスクドライブ(HDD)の採用を発表した。これらの機能は、既存のDS5000シリーズに対しても、ファームウェア等の更新だけで搭載可能とのこと。
DS5000シリーズでは、これまで4Gbpsの転送速度でサーバーに接続していたが、今回、同社のディスク装置で初めて、8Gbpsの転送速度に対応。従来2本のケーブルを使って対応していた8Gbps相当の性能を、1本のケーブルで対応できるため、ポート数とケーブル数を半減することが可能になった。ポート部分を置き換えることで、既存のバージョンのDS5000にも搭載できる。
また、自己暗号化機能付きHDDは、同社ディスク装置の最上位機である「IBM System Storage DS8000シリーズ」でサポートされているもので、同じ機能をミッドレンジ・クラスのDS5000シリーズでも活用できるようになる。暗号処理はHDD内の暗号化エンジンが行うため、DS5000の制御装置には負荷がかからず、ディスク装置全体としての処理スピードも低下しないという。暗号非対応HDDとの混在も可能で、必要に応じて自己暗号化機能付きHDDを追加していくことが可能。
さらにDS5000シリーズのうち、「IBM System Storage DS5300」においては最大搭載HDD数が従来の2倍に拡張され、これまで224個としていた最大搭載HDD数が448個まで搭載可能となったことで、最大ディスク容量が448TBに増量された。同時に、「IBM System Storage DS5100」では、内蔵のキャッシュメモリを従来比2倍の16GBとし、内部処理を効率化させることで、アプリケーションの応答速度の向上を可能にした。
今回発表されたDS5000シリーズの価格および出荷時期は下表のとおり。
製品構成 | 最小構成価格(税別) | 出荷開始予定日 | 備考 |
IBM System Storage DS5100/DS5300 8Gbpsファイバーチャネル構成 |
1960万円 | 2009年6月5日 | 価格は16GBキャッシュメモリ搭載の場合。HDD数の拡張機能も搭載可能。 |
IBM System Storage DS5100 |
2120万円 | 2009年8月21日 | 8Gbpsファイバーチャネル、16GBキャッシュメモリの追加も可能。 |
IBM System Storage DS5300 自己暗号化ドライブ構成 |
2270万円 | 2009年8月21日 | 8Gbpsファイバーチャネル、HDD数拡張機能の追加も可能。 |
上記製品の物理容量は587.2GB~。日本IBMおよびIBMビジネス・パートナー経由で販売する。
日本IBM
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