沖電気工業は2009年5月11日、CRMシステムの新版「enjoy.CRM II」を発表した。いかに顧客の「生の声」をすくい上げ、商品開発やサービス拡充に生かすか。企業や個人の購買意欲が冷え込む中、収益力向上の取り組みとしてCRM(カスタマ・リレーションシップ・マネジメント)を見直そうという機運が高まりつつある。
沖電気工業は2009年5月11日、CRMシステムの新版「enjoy.CRM II」を発表した。enjoy.CRM IIは、顧客の属性情報や問い合わせ内容を管理する、コールセンター向けのCRMシステム。マイクロソフトのCRMソフト「Dynamics CRM 4.0」上で動作する。
今回、沖電気のコールセンターシステム「CTstage 5i」(販売はOKIネットワークス)との連携機能を強化した。具体的には、CTstageで録音した通話データを、enjoy.CRM IIに登録した応対内容と関連付けて管理できるようにした。enjoy.CRM IIからCTstage 5iの通話データを直接呼び出して再生し、テキストだけでは把握しづらいクレームのニュアンスを確認するのに役立てられる。
頻繁に寄せられる問い合わせと回答をまとめた「FAQ」の作成を支援する機能も強化した。コールセンターのオペレーターが応対内容をenjoy.CRM IIに登録する際、重要と判断したものを、その場でFAQ集に登録。他のオペレーターと即座に情報を共有できる。ヘルプデスクやクレーム処理といった用途に応じてDynamics CRMの画面をカスタマイズするテンプレートも用意し、システムの短期導入を可能にする。
沖電気子会社のOKIソフトウェアが5月13日に販売を始めた。価格は50席規模のコールセンターで利用する場合で4000万円(税別)から。2009年度に20システムの販売を目指す。