インターネット経由でストレージを提供する、いわゆるストレージクラウドのベンダーでは、Amazon.comが有名だ。だが米国ではNirvanixやMossoなど、新興のベンダーも続々と生まれている。そんな1社に、ストレージ最大手の米EMCが加わった。
Atmos─。同社が提供するストレージクラウドの名称だ。マイク・ファインバーグ上席副社長(写真)は、その特徴をこう説明する。
「Atmosはポリシー設定が可能なファイル管理ソフトと、SATAのディスクを大量に搭載したIAサーバーを組み合わせた製品。非構造化データをペタバイトの規模で格納するのに適している。コピーの数やセキュリティ設定などデータの管理や配信のポリシーを、個々の利用者ごとに設定できるのが特徴だ。現在は120TB〜360TBのモデルがあるが、それらを連携させたスケールアウト構成が可能なので事実上、容量に制限がない。(子会社である)RSAセキュリティの技術を駆使してセキュリティも高めた」。
米国ではすでに、AT&TがAtmosを採用してストレージクラウドサービスを提供すると発表。オークション最大手のeBayも、自社のIT基盤にAtmosの採用を決めている。EMC自身も、「Atmos onLine」という名称でサービスを提供する。「現在、ベータ版を提供中であり、今秋には有料化したい。価格は未定だが、Amazon.comなどと対抗できるものにする」(同)。