M&Aで企業向け事業の強化と海外展開を加速──。今回、国内企業としてNTTデータに着目したのは、M&Aによる事業強化戦略を早くから明確に掲げ、今も積極策を打ち続けている大手ITベンダーだからである。
NTTデータの買収戦略は2つのフェーズに分けられる。第1フェーズは、公共・金融・法人という同社の3事業の中で出遅れていた法人セクターの強化だ。2003年の売上高に占める公共セクターの割合は約43%、金融セクターは約27%。これに対して、製造業や流通業など民間企業向けの法人セクターは1639億円で、全体の20%に満たない状態だった。
稼ぎ頭の公共セクターは、当時すでに先細りが予想されていた。そこでNTTデータは公共・金融・法人の売上比率を「1対1対1」にする目標を掲げ、その実現手段として企業買収を選んだ。
ただ、買収といっても、インテグレータであるNTTデータの場合、海外メガベンダーのそれとは目的や手法がやや異なる。多くは買収先を吸収するのではなく、民間企業のIT子会社に50%以上の資本を出資してNTTデータの傘下に入れ、元の親会社からシステム構築や運用を受託する形態を採っている。
公表ベースで、NTTデータはこれまでに、日本たばこ産業や積水化学工業などのIT子会社を買収した。ほかにも、鈴与と合弁で物流関連システムの構築会社を設立するなど資本提携も積極的に取り組んでいる。その結果、法人セクターの売上高は着実に増えてきた。直近2009年3月期の法人セクターの売上高は3774億円で、2003年の2倍以上に拡大。かつての中核事業である公共セクターの2564億円を上回り、金融セクターに次ぐ第2の柱に成長させた。
第2フェーズは、目下、急ピッチで進めている海外事業の強化である。2008年に独BMWのIT子会社を買収したのは記憶に新しいが、海外事業については今のところ開発拠点の整備という色合いが濃い。インドと中国には買収によってオフショア開発の拠点を設けた。さらにオーストラリアとドイツが地盤のシステムインテグレータを立て続けに買収し、欧州とアジア・オセアニア地域におけるシステム構築/コンサルティング事業の基盤を整えた。
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