日本電気(以下、NEC)は2009年10月13日、百貨店や大手通販事業者等の企業がコンシューマ向けに大規模なWeb販売を行う際に必要な基本機能を有するシステム(以下、ECシステム)をSaaS(Software as a Service)型で提供するサービス「NeoSarf/EC(ネオサーフ/イーシー)」を開発、同日より販売を開始すると発表した。大規模事業者向けECシステムをSaaS型で提供するのは、国内で初めてとなる。
NECグループはこれまで、100社以上のWeb販売サイト構築実績を有するとともに、「BIGLOBEショッピング」(オークションサイト)や「NEC Direct」(PC等の直販サイト)など自社においてもサイトを構築・運用してきている。この蓄積したノウハウをベースに今回のサービス提供を実現している。
「NeoSarf/EC」は、ECシステムの基本機能に加え、コンテンツ登録・管理などの付帯機能もSaaS型で提供する。これにより、利用企業は個別にシステムを構築することなく、ECシステムを短期間かつ低コストで開始することが可能となる。
「NeoSarf/EC」の特長は次のとおり。
- 大規模なWeb販売に対応する基本機能と付帯機能をSaaS型で提供
商品情報表示・商品検索などの“フロント機能”、商品管理・注文/受注管理・コンテンツ管理・顧客管理などの“バックオフィス機能”、ログ管理・アクセス権限管理などの“共通機能”といったWeb販売の基本機能を提供する。
一般的なECパッケージには含まれていないEC用コンテンツマネジメントシステム(CMS)をNECが独自に開発し、基本機能とともにSaaS型で提供する。商品情報などのコンテンツ作成・変更を、マウスによるドラッグ&ドロップ操作により、リアル店舗のような感覚で“棚換え”や“改装”が迅速かつ容易に行え、専門知識がなくても機動性のあるサイトを構築・運用できる。 - 事業拡大に対応したマルチテナント機能を提供
EC事業者の事業拡大に伴うショップサイトの追加も、NECの同一システム基盤で対応できる。複数のサイトを1つの事業者が運営する場合でも、顧客管理の一元管理を図ることで、顧客に対するワンストップサービスを実現する。 - NECの高セキュリティSaaS基盤を活用
「NeoSarf/EC」はNECのSaaS基盤サービス「RIACUBE/SP(リアキューブ エスピー)」上から提供される。「RIACUBE/SP」はハードウェア・OS・ミドルウェアなど複数製品を組み合わせて事前検証を行ったプラットフォームであり、既存システムや他サービスとの連携、顧客のさまざまな要求レベルに応じたサービス提供を実現する。本基盤の活用により、「NeoSarf/EC」を高セキュリティ下で、安定・安全・快適に提供する。 - 外部連携インターフェイス機能により他社サービスとの連携も順次実現
顧客のさまざまな利用シーンに応じて、PCや携帯電話など多様なインタフェースに対応するほか、今後、レコメンド・アフィリエイト・決済代行など他社が提供するサービスとの連携機能を提供する予定。これにより、企業ごとの要件に応じたサービスを短期間で安価に実現できる。
NECは、初期投資として数億円以上必要となることが多い、SIで構築する大規模なECシステムと比べて、本サービスでは、利用企業のシステム導入・運用等にかかるコストを5年間で最大30%程度低減することが可能だとしている。
「NeoSarf/EC」のサービス利用料金は、月額400万円(税別)~。SaaS基盤サービス「RIACUBE/SP」の費用を含む。NECは今後5年間で、大規模EC事業者30社への販売を目指す。さらに、大規模以外にさまざまな規模のEC事業者向けサービスも順次提供していくとしている。
SaaS基盤サービス「RIACUBE/SP」
http://www.nec.co.jp/outsourcing/saas/kiban.html